地域おこし協力隊の夫婦が、イベントや情報発信で人と町の関わりをつなぐ【秋田県八峰町】

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あきたの物語」は、物語をとおして「関係人口」の拡大を図ることで、県外在住者の企画力や実行力を効果的に生かした地域づくりを進め、地域の課題解決や活性化を促進する事業として秋田県が2023年度から始めました。秋田県や秋田にまつわる「ローカリティ!」のレポーターや地域の関係者が、秋田県各地の人々の活動を取材し「あきたの物語」を執筆して秋田県を盛り上げています。

2023年12月10日に秋田県能代市で行われた「のしろクリスマスマーケット」に出店し、八峰町の生薬を使用したカモミールティーの販売などを行っていた「やっほ〜farm」。当日、催事のブースに立っていたのは、八峰町(はっぽうちょう)・地域おこし協力隊の山田勝(まさる)さん・菜々子さんご夫婦と、同じく協力隊の越前谷淳(えちぜんや・じゅん)さんの3名で、勝さんはサンタクロースとして活躍しておりました。

2022年9月に農業推進コンシェルジュとして八峰町の地域おこし協力隊に就任した山田夫妻に、地域おこし協力隊に至るまでの経緯や八峰町への思い、関係人口づくりの取り組みについて伺いました。

クリスマスマーケットのイベントでの山田さんご夫婦と、越前谷さん(写真右)

家族の心身の健康を考え、コロナを機に八峰町への移住を決意

年齢がひとつ違いのお二人ですが、生まれ育った能代で、お互いに知っていたとのことでした。その後就職を機に、菜々子さんは東京、勝さんは横浜へ。一度は実家に戻った菜々子さんでしたが、勝さんと連絡を取り合って再び横浜へと旅立ちました。程なく結婚して娘さんを授かったお二人でしたが、コロナ禍で転機をむかえます。

菜々子さんは勝さんや娘さんのことを気遣うあまり、神経質になり、家から出ない生活が続きました。決定的だったのは幼稚園児の娘さんに白髪を見つけた時でした。夫の勝さんも設計の仕事で帰りが夜中になる日々が続き、菜々子さんが身体を気遣っていたことも横浜からの移住を考えた理由のひとつです。付き合いはじめた当初から「将来は能代に帰りたい」と話していた菜々子さんは、インターネットで地元での仕事など情報を収集したところ、能代市のとなりの八峰町で、地域おこし協力隊を募集をしていることを知りました。

「妹家族も八峰町に住んでいたので、早速役場に問い合わせてオンラインでリモートの面接を行い、トントン拍子に話が進みました」と、菜々子さんは当時を振り返ります。

近隣のイベントで、八峰町産の生薬と町をPR。関係人口づくりの下地に。

イベントブースの様子

そうして、山田さんご夫婦は、ふたり揃って八峰町の地域おこし協力隊に就任しました。

八峰町では、咳を抑える薬「龍角散」に使用される生薬(キキョウの根やカモミール)の栽培に注力しており、そのお手伝いや情報発信がお二人の主な仕事です。就任1年目、キキョウの根をポキポキ折って、皮をむいて、洗って、乾燥機をかけてという工程のお手伝いを行いました。

また、イベントなどにも積極的に参加しPR活動を実施。八峰町産のカモミールティーや八峰町産キキョウを使用した玄米焙煎珈琲の無料試飲などを行い、生薬の説明をしています。「大館のアメッコ市や大館市田代地区のイベントにも出ましたが、八峰町を知らない人もいるので、生薬と一緒に町もPRしたいと思いました」と菜々子さん。

「のしろクリスマスマーケットは、主催した能代の雑貨屋さんのお声掛けで参加したのですが、きっかけは、生薬やカモミールを使ってくださいと営業活動したことからご縁ができて、店頭にカモミールティーを置いてもらったり、お菓子屋さんに行ってカモミールを利用できないかと話して、カモミール入りの焼き菓子を作ってもらったりしています」。

当初は、PRや営業でさまざまなお店などを訪問するうちに、次第につながりができ、今では近隣市町村でのイベントや催事などでも声がかかるようになりました。

「普段の生活の発信が大事」SNSの情報発信から始まる関係人口づくり

栽培しているハツカダイコンの写真撮影を行いSNSにアップして、情報発信

情報発信は、勝さんが X(旧Twitter)、菜々子さんがインスタグラムで運用しています。心がけていることは、単なる案内やPRだけではなく八峰町の普段の生活も含めて発信することです。そうするとフォロワーからの反応が多くなります。SNSのやり取りをきっかけに、八峰町に来たいというフォロワーを町に案内したこともあります。また、農業に携わりながらリモートワークを行う「半農半X」という企画でカモミール試食した参加者から「カモミールの花が咲いた頃にまた来たい」という声もあり、コンタクトを取っています。

このように、関係人口が次々と生まれていく八峰町の暮らしについて、「移住当初は不安もありましたが、今はそんなことはなく、ご近所のお父さんお母さんから『ちゃたろう、今日も暑いねー』とか気軽に声がけがありうれしいです」と語るのは菜々子さん。また、勝さんは地域の伝統芸能である石川駒踊りにも参加して、「八峰町は人のつながりが濃いです」と、地元の方とのふれあいを楽しんでいます。娘さんも八峰町に来てからとっても元気に走り回っています。

ぽんぽこ山公園での秋田犬のちゃたろう

将来は起業して、さまざまな人と関わる経験を与えてくれた八峰町に恩返ししたい

お二人は協力隊の業務に携わりつつ、越前谷さんと3人で農園を借りて「やっほ〜farm」として自分たちで野菜や生薬などを栽培しています。「畑のことはネットや本よりご近所から聞くことが役に立って、本当にありがたいです」と、菜々子さん。ゆくゆくは、八峰町のカモミールをはじめとした生薬を使った商品を作りたいと考えており、そのための加工場兼カフェを作ることを目標に、八峰町の同世代の起業家からアドバイスを受けているそうです。

また、2023年の年末に、勝さんが撮影して応募した『絶好調!八峰町!』が、「第21回あきたふるさとCM大賞」で、AAB賞(秋田朝日放送賞)を受賞しました。勝さんは、「町の皆さんの協力をもらい、笑顔いっぱいのCMにしました。八峰町は人が一番の魅力だと思います。おじいちゃんおばあちゃんは意欲のある方が多いですし、 子供たちもみんな明るく元気に笑顔で挨拶してくれます。僕たちが色々してもらった分を返していきたいと思い、町のPRに加えて、起業して町の役に立ちたいです」と八峰町への思いを語りました。

人が何よりも魅力という八峰町、観光客としてではなく、山田さんご夫妻を通じて、関係人口として、関わりを持ってみてはいかがでしょうか

関わりしろ

・八峰町主催イベント(半農半Xなど)への参加

・公式SNSのフォロー、発信の支援

八峰町地域おこし協力隊夫婦SNS

八峰町 X(Twitter)  @happou_yamada

八峰町Instagram @happo_ponpoko

問い合わせ

八峰町 農林振興課

電話番号:0185-76-4609

森川淳元

森川淳元

秋田県秋田市

編集部編集記者

第1期ハツレポーター
秋田県北秋田市出身です。少しばかり出版や取材などに関わったことがあり参加させていただきました。レポーターになり、改めて秋田ならではの面白いところを深掘りできたらと思います。

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