福島に“ピンクの山”出現!花見山は疲れた心を癒すみちのくの“桃源郷“【福島県福島市】

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福島市を代表する花の名所「花見山公園」では、トウカイザクラやナノハナ、レンギョウなどが満開を迎え、山全体が色とりどりの花で彩られている。花のシーズン開始とともに多くの花見客が訪れ、「想像以上の美しさ」と感動の声が上がるなど、にぎわいを見せている。国内外からの観光客に加え、地元の特産品や春限定スイーツも並ぶ中、自然が織りなす春の風景が今年も訪れる人を魅了している。

「花の楽園」花見山、今年も春の彩りが始まる

4月に入ってからしばらく曇りや雨が続き、春の訪れがやや足踏みした福島だったが、4日になって朝から青空が広がり、ようやく開花宣言。昨年より1日遅れ、平年より3日早い開花となった。

その春の訪れを象徴するのが、花の名所として知られる福島市・花見山公園だ。毎年、全国から多くの人が訪れ、「桃源郷」とも評される絶景を楽しんでいる。

「ふくしま花回廊シーズン到来セレモニー」で出席者が春の観光シーズンの幕開けを祝った。=2025年3月29日、福島市渡利、筆者撮影

色とりどりの花が一斉に開花。トウカイザクラ・レンギョウ…まるで絵画のような風景広がる

現在、花見山ではトウカイザクラ、ナノハナ、レンギョウ、ハナモモなどが一斉に見ごろを迎え、山全体が春のグラデーションに包まれている。特に、サクラのピンクとナノハナの黄色のコントラストは圧巻。まるで水彩画の中に迷い込んだような感覚になる。

4月最初の日曜日となった6日には気温が20度近くまで上がり、まさに花見日和。カメラ片手に夢中でシャッターを切る人々の姿があちこちに見られた。

午前と午後でも違った風景を見せてくれる。赤い花はボケの花。=2025年4月6日、福島市渡利、筆者撮影

仙台市から夫婦で訪れた女性は「テレビで見て来たが、想像以上にきれいで満喫できた」と語った。また、楢葉町で廃炉作業に携わる外国人技術者は「着物を初めて着て写真を撮った。とても素晴らしかった」と笑顔を見せた。

観光客は県内外にとどまらず、ベトナムや台湾からの団体旅行客も多く、福島を起点とした東北ツアーの拠点としても機能している。大型バスが着くたびに、外国語で対応できるスタッフが対応した。

南風に乗って菜の花の香りが周囲に漂う=2025年4月5日、福島市渡利、筆者撮影

2024年にはおよそ9万4000人が花見山を訪れた。観光客に配慮したバリアフリー整備も年々進んでおり、「どんな人にも開かれた花の名所」として進化を続けている。

さらに、今年は福島市内11事業所が開発した花見山スイーツ13品も話題だ。塩糀(しおこうじ)を使用した和菓子や焼き菓子が並び、視覚だけでなく味覚でも春を楽しめる。これらは、現在展開中の「ふくしまプレデスティネーションキャンペーン」の一環で、観光と地域経済の連携がうかがえる。

自然の美しさと人のぬくもりが織りなす春の物語——それが、今の花見山である。もうすぐ満開を迎えるソメイヨシノやシダレザクラとともに、福島の春はまだまだ続く。

参考資料:R5年観光客入込状況調査(福島県)

※本記事は取材時点の情報をもとに執筆しています。訪問の際は、事前に施設のホームページ等で最新情報をご確認ください。

昆愛

昆愛

埼玉県川越市出身。前住地は山形県鶴岡市。会社員のかたわら、地域資源の掘り起こしとその魅力発信活動に取り組む。2023年、「誰もいなくなった町。でも、ここはふるさと~原子力発電所と共存するコミュニティで“記憶”と“記録”について考える【福島県双葉郡富岡町】」で本サイトのベスト・ジャーナリズム賞を2年連続受賞、また2024年、天文活動の報告・交流等を目的としたシンポジウムでの発表「天文文化史で地元の魅力発信?九曜紋が導く新たな誘客構想とは【福島県南相馬市】」で渡部潤一奨励賞を2年連続受賞。

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