
遅れてきた春をじっくり楽しみたい。白石川堤 一目千本桜(しろいしがわづつみ ひとめせんぼんざくら)に、今年も花の季節がやってきた。宮城県を流れる白石川の両岸に咲き誇る桜並木は、柴田町と大河原町にまたがり、毎年両町がそれぞれ「桜まつり」を開催している。
今年2025年は開花の遅れにより、大河原町「おおがわら桜まつり」が4月16日(水)まで延長され、柴田町「しばた桜まつり」も同じく4月17日(木)まで開催される見込み。見頃に合わせた柔軟な対応で、訪れる人々に春の絶景を楽しんでもらう工夫がなされている。
満開は今週末から来週初めと予想されており、主催者は多くの来場者に期待を寄せている。しばた桜まつりに出店している「孝美商店」の水戸和彦さん(47)は「今のところ例年よりも客足は少ない。桜が満開になると一気に人出が増えるので、今週末に多くの方が訪れてくれることを期待している」と語った。

一目千本桜は、柴田町の船岡土手内(ふなおかどてうち)から大河原町の金ヶ瀬(かながせ)にかけて総延長約8キロの白石川堤に約1200本の桜が咲く。大正時代に植えられたソメイヨシノの並木を歩いていると「日本一ソメイヨシノの巨木」と書かれた看板を発見。日本随一の太い枝ぶり(高さ13.70メートル、幹周4.85メートル、枝張りは東西21.30メートル、南北25.50メートル)の見事な桜だった。

近年柴田町では新たな話題も生まれている。今年2月から放映が始まったキリンビール「晴れ風」のテレビCM「二年目の植樹篇」は、柴田町の船岡城址公園を舞台に撮影された。タレントの今田美桜さんが出演し、春の柔らかな光に包まれた城址公園の風景が全国に発信されたことで、町の魅力が広く注目を集めている。今年の桜まつりは、花見だけでなく、地域の魅力や取り組みが詰まった春のイベントとなりそうだ。

両町の桜まつりは、同じ桜を眺めながらも異なる魅力・異なる雰囲気を体験できるのが醍醐味(だいごみ)だ。訪れる際は、公式情報をもとにプランを立ててほしい。
今年から桜の保護保全や駐車場整備等に使用するため「桜まつり協力金(駐車料金)」制度が導入されている。土日限定で臨時駐車場が開放され、普通車1台1,000円の協力金が必要となる。また週末および満開期の平日には専用の無料シャトルバスが運行されるため、来場前にチェックすることをおすすめする。


※写真はすべて筆者撮影 (2025.04.09)
情報
・おおがわら桜まつり公式サイト(大河原町観光物産協会):
https://www.oogawara.or.jp/sakurafestival/
・しばた桜まつり公式サイト(柴田町観光物産協会):
https://www.skbk.or.jp/cms/information/sakuramaturi.html
・キリンビールCM「晴れ風 二年目の植樹篇」について(柴田町):
https://www.town.shibata.miyagi.jp/news/index.cfm/detail.73.63681.html