【連載:灯し続ける人々①】「日常は当たり前ではない」生きる意味に思いをはせ、毎月キャンドルを灯す

杉浦恵一さん(後列左から3人目)とともしびプロジェクトのメンバーたち
(写真提供:ともしびプロジェクト)

 

東日本大地震の津波により被災した人々の想いを全国、そして後世に伝えていこうと、毎月11日にキャンドルを灯す活動が、宮城県気仙沼市で行われている。その活動は「ともしびプロジェクト」と名付けられ、これまで120回近く、毎月11日にキャンドルを灯してきた。「街の復興が進む一方で、世の中から忘れられている、あの日の記憶がある」と代表の杉浦恵一さん(35)。「海を恨んでも何も変わらない。日常は当たり前ではなく、なんのために生きるのか思いをはせる時間を作って欲しい」と語り、杉浦さんたちは毎月キャンドルを灯し続けている。【連載:灯し続ける人々①】

杉浦さんが「ともしびプロジェクト」を始めたのは、震災ボランティアの経験がきっかけだったという。杉浦さんは震災直後にボランティアとして気仙沼を訪れた。ボランティアを続け、徐々にまちが復興していく中で、地域の人たちの「震災を忘れないでほしい」という声を多く耳にした。その想いを受け、杉浦さんは「忘れないをカタチに」を合言葉に、2011年11月11日から、毎月11日にキャンドルを灯す活動を始めた。Facebookで参加者を募り、各地でろうそくに灯して自分のSNSに投稿。プロジェクトに参加する人は、全国や海外に広がった。

 

写真提供:ともしびプロジェクト

 

杉浦さんは、「ともしびプロジェクト」に込めた思いについて、次のように語る。

「日常は当たり前じゃない。そういうことに気付く時間が現代はとりにくい。キャンドルを灯すことによって、当たり前じゃないということに気付く時間をつくってほしい」

キャンドルに灯る炎から、命が連想されるのはなぜなのか。灯火(ともしび)と対峙した時に、何を感じるだろうか。キャンドルは、当たり前の日常の大切さを忘れないようにという、気仙沼からのメッセージだと私は感じた。

五十嵐ゆま

宮城県気仙沼市/第3期ハツレポーター

山形県鶴岡市生まれ、栃木、埼玉、東京を転々とし宮城県気仙沼市に流れ着きました。
その地域を築いている思いや、人々の願いを届けていきたいです。