沖縄県は2023年度、たくさんの「お宝=魅力」をもつ離島各所の事業者さんたちが、SNSなどの『デジタルツール』を利用してさらに魅力的な発信をしていけるように「沖縄県主催🌺価値を伝えて売りまくるためのデジバズ講座」という取り組みを行っています。この記事は、参加された事業者さんを対象に、「ローカリティ!」のレポーターがその輝く魅力を取材し執筆したものです。沖縄離島の魅力をご堪能ください。
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伊江島と戦前から受け継がれてきた伊江島伝統小麦「江島神力」
伊江島は沖縄本島北部の本部からフェリーで30分の温暖な離島です。
標高およそ172mの岩山「伊江島タッチュー」という城山(ぐすく)のある景色が有名です。また、伊江ビーチでできるマリーンスポーツを楽しみに多くの方が訪れます。
一方で農作物を育てるのにぴったりな温暖な気候で、島らっきょうや小麦、大麦などたくさんの作物が伊江島で栽培されています。
なかでも伊江島の小麦「江島神力(えじまじんりき)」は、琉球王朝時代から続く歴史ある作物です。戦争中は防空壕に隠れて種をもって守り育ててきた「江島神力」。日本で使われている小麦の88%は輸入のなか、江島神力は貴重な在来種です。
戦後、減少傾向にあった小麦生産を復活させようと16世帯の農家が集まり伊江島小麦生産事業組合を立ち上げ、その流れで「株式会社いえじま家族」ができました。
「江島神力を復活させたい」いえじま家族誕生
いえじま家族の社長の玉城堅徳(たましろ・けんとく)さんは、立ち上げ当初は販路もなく不安で夜も眠れない日が続いたそうです。
そんななか、「江島神力を復活させたい」という思いで土壌づくりからこだわって栽培しています。
一般の小麦粉は小麦の表皮を取り除いて製粉していますが、江島神力は全粒粉で麦の表皮、胚芽、胚乳をすべて粉にしています。通常の小麦粉と比べるとミネラルなどの栄養が豊富に含まれているのが特徴です。
たくさんの人に知ってほしい「伊江島小麦」
これからの目標については「伊江島小麦や伊江島についてよりたくさんの人に知ってほしい。そしてぜひ来島を」と、語る玉城さん。
伊江島小麦を使って開発した「ケックン」は香ばしい香りとカリッとした食感で人気のお菓子です。「ケックンがおいしいといってもらえるときが一番うれしい」と玉城さんは語ります。
伊江島の人たちが懇切丁寧に作った「ケックン」は、オンラインショップで購入できます。