壱岐市役所前の横断幕 2025年1月5日筆者撮影
部員21名全員が地元出身という長崎県立壱岐高等学校野球部。練習時間や練習場所、施設が限られた環境の中で、選手たちは秋季長崎県大会で準優勝、九州大会ではベスト8という快挙を達成。選抜高校野球大会の「21世紀枠」九州地区推薦校に選ばれ、甲子園への夢にあと一歩のところまで来ています。島民全体がその挑戦を応援し、飲み会や日常の話題は野球部一色に。
今回、島内外からの支援を募るため、市が「ガバメントクラウドファンディング」を開始。遠征費や練習環境の整備に充てられる支援金を募りながら、甲子園出場の切符を目指します。
選手全員壱岐島出身の野球部が挑む甲子園への道
写真は壱岐市役所 商工振興課よりご提供いただいたものです。
長崎県壱岐市にある壱岐高校野球部は、部員21名全員が壱岐島出身という、野球部です。選手たちは島内の中学校を卒業し、島内の壱岐高へ進学。その彼らが秋季長崎県大会で強豪校を破り準優勝、さらに九州大会ではベスト8に輝き、2025年3月開幕の第97回選抜高校野球大会「21世紀枠」の九州地区推薦校に選ばれました。現在壱岐高を含めた9校が選出されており、2025年1月24日には2校が選ばれます。
島という限られた環境。壱岐高校野球部の熱い思い
写真は壱岐市役所 商工振興課よりご提供いただいたものです。
壱岐高校は公立高校であり、野球専用のグラウンドや屋内練習場はなく、学校のグラウンドを他の部活動と共有しています。そのため、平日の練習時間はわずか2時間ほど。
また、島の外での練習試合や公式戦には、一日数便しかないフェリーで約1時間半、さらにバスで1時間以上移動する必要があり、経済的・身体的負担も大きいという現実があります。
島全体で応援!熱気あふれる壱岐市の人々
町の掲示板にも応援のポスターが貼られています。2025年1月5日筆者撮影
壱岐島では島民全体が盛り上がり、壱岐高野球部の話題は飲み会や地域の集まりで必ずといっていいほど取り上げられ、スーパーや喫茶店などでも「今年は甲子園に行けるかもしれない!」という会話が交わされています。
今回ふるさと納税制度を活用したガバメントクラウドファンディングという形で応援することを企画した、壱岐市役所商工振興課の寳來(ほうらい)さん。
「選手たちは『島の子どもたちに夢と希望を、島の人に元気を届けたい』という強い思いを胸に、困難を乗り越えながら全力で戦っています。この挑戦は、選手たちだけでなく、島全体の夢でもあります。皆さまからの温かいご支援が、選手たちの大きな力となり、夢の舞台『甲子園』への一歩を支えます。彼らの熱い思いにご共感いただき、応援の程よろしくお願いいたします!」と話しました。
支援期間は12月17日からスタートしており、2025年3月16日までの90日間で、目標金額は1千万円。支援金は遠征費や練習環境の整備に充てられる予定です。
野球部の夢、いや島民の夢が実現するかどうか、1月24日の発表が待たれます。