観光バスが行き交う道沿いで芋掘りをしている男性。何を隠そう私の身内だ!
花壇からは、まるまるとしたさつま芋がたくさん収穫されている。なぜこんなところで芋掘りをしているのか?
そこには、野菜作りで町を盛り上げたいという思いがあった。
和歌山県那智勝浦町。比較的交通量の多い「北浜通り」に、さつま芋の葉が覆い繁る花壇があった。10月のある土曜日の朝、この花壇で芋掘りをしている著者の夫、本舘尚志(もとだて ひさし)になぜここで芋掘りをしているのか尋ねてみた。
「イギリスに空き地に野菜を植えて、住民が勝手に取って食べてもいい町があるって知ったんです。そんなふうに出来ればいいなと思って」。
元々私が花を植えていた花壇だが、西日が強くて徐々に花を植えなくなっていた。どうせ何も植えないなら食べられる物を植えようと思った夫。まずは、失敗の少ないさつま芋からチャレンジ。6月に植えた苗は、10月には道路にもツルがはみ出るほど成長した。見事にたくさんのさつま芋が収穫できた。
苗を植えた直後の花壇
すっかり葉が生い茂った花壇
「町の空き地や花壇に野菜がなっていると面白いと思う。『花いっぱい運動』もいいけど、『野菜いっぱい運動』ってどうかな。食料自給率をあげることにもつながるし。珍しい!、って全国から多くの人が視察に来たら町も盛り上がるかも」と夢をふくらませる。
芋掘りを終えた夫が次はどこに何を植えるのか、今後が楽しみだ。