町に現れた現代アート!? 異様な階段は「絶対に逃げ切る」ための命の道【和歌山県那智勝浦町】

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町の中心部に出現した白い階段。崖に張り付く異様な姿は「現代アートか!?」と思わせるが、実は、生き残るために作られた津波避難経路だ。

地震発生後、津波到達までに5分。町の住民が「絶対に逃げ切る」ために作られた、命を守る階段だ。

和歌山県南部の那智勝浦町。町は平野が少なく、目の前は海、後は紀伊山地の高い山々に囲まれている。東日本大震災に見舞われた三陸海岸と同じリアス式海岸だ。

南海トラフ巨大地震は、30年以内におこる確率は70~80%と言われている。(2020年1月時点)

和歌山県の津波ハザードマップによると、マグニチュード8 〜9の地震が起これば3m以上の津波がたった5分で町を襲う。住民の多くが、東日本大震災での津波の映像は他人事ではないと感じたに違いない。

町では年に一回、家から何分で高台に行けるか、大規模な津波避難訓練をしている。

高齢化の進んだ住民が生き残るためには、遠くにある高台へ逃げるのでは間に合わない。町なかにある、家より高いところに避難できる道を作らなければいけない。

住民が「絶対に逃げ切る」ために、苦肉の策で作られた津波避難経路。小高い山に、細い白いパイプで作られた手すりは、まるで現代アートのようだ。しかし、命を守るための大切な、大切な階段なのだ。

もとだてかづこ

もとだてかづこ

和歌山県那智勝浦町

第2期ハツレポーター

生まれも育ちも和歌山県那智勝浦町。紀伊半島南部唯一の助産院を開いています。たま〜に分娩介助、日頃は赤ちゃんやママへの子育て支援を中心に活動しています。海と山に囲まれた那智勝浦町が大好きです!そんな大好きな町の魅力を発信していきたいです。