今、私たちの働き方は大きく変わっています。そうした働き方の変化にあわせて、働く場には何が求められるのでしょうか?
長年企業のオフィスなどの空間づくりを研究してきた「コクヨ東北販売株式会社」の取り組みを追う中で、これからの時代、企業にとって、働く人にとって、より良い働く場づくりとはどんなものなのか、掘り下げます。
【CASE1】「空間を変えると、人の行動は変わる」社員の意識を変化させるオフィスづくりとは
「人の行動を変えるには、言葉で伝えるよりも、空間を作り変える方が効果的です」。
モノ売りからコト売りへ価値転換を図ってきたコクヨ東北販売株式会社代表の岡竹博昭さんは、自社の試行錯誤を振り返って、そう話します。
コクヨ東北販売では、新たな価値が生まれるきっかけとなる組織横断的なコミュニケーションを、オフィスづくりによって生み出してきました。人の行動を変えるオフィスづくりは「組織づくり」でもあるという岡竹さんに、新たな価値を生み出すイノベーションを起こすためのオフィスづくりについて話をうかがいました。
【CASE2】「あえて歩かせる」でコミュニケーション活性化。イノベーションを生み出すオフィスの仕掛けとは?
米グーグルやアップルで、リモート勤務からオフィスとリモートによるハイブリッドワークへの移行が、2022年4月に行われました。なぜ今、改めてオフィスワークの重要性が見直されているのでしょうか?
「イノベーションというのは一人で生み出せるものではないので、社内、あるいは社外の人たちと知識をぶつけ合う場が必要になってきます」
企業の課題を解決する空間づくりのヒントが散りばめられたコクヨ東北販売株式会社の「ライブオフィス」。その設計を手掛けてきたコクヨ東北販売株式会社設計部の山崎拓哉さんは、オフィスは『場』としての価値を高めることが重要になってきていると話します。
【CASE3】書類の山が当たり前だった時代からペーパーレス化実現。なぜオフィスづくりで社員の意識が変わったのか?
ナチュラルな色合いでまとめたフリーアドレスの執務スペース。誰でも自由な使い方ができるラウンジスペース。JR東日本ビルテック仙台支店のオフィスは、「おしゃれ」「柔軟性に富む」「時代に合っている」という形容詞が頭に浮かぶ、開放的なオフィスです。
しかしこのようにリニューアルする前は、固定席に書類の山が積み重なり空間を圧迫する、昔ながらのオフィスでした。「机の上にものがあることで満足感があったんですよ(笑)」
仙台支店の支店長佐藤敏夫さんは、すべての書類を電子化した現状から、当時を振り返ります。書類が山積みになっていることが当たり前。そんなオフィスでなぜ、ペーパーレス化が実現したのでしょうか?そこには、社員の行動と意識を変えた空間づくりがありました。
【CASE4】「私の話し声、うるさい?」オフィスの音問題を解決して自由な働き方を!コクヨ東北販売の取り組み
リモートとオフィスを組み合わせた新しい働き方が広がる中で、オフィスの音問題が無視できないものになっています。自分が大きな音を出していないかと気になって萎縮してしまう、周りのWEB会議の音が気になって業務に集中できないなど、オフィスの音問題は、社員の働きやすさや業務の生産性にも影響を与える重要な課題です。
では、オフィスの音環境を良くするにはどうしたら良いのでしょうか?オフィスの空間づくりで組織の価値を高める「コクヨ東北販売株式会社」の吉田尊大(たかひろ)さんと、オフィスの課題を解決する技術を提供する「コクヨ株式会社 ファニチャー事業本部」の芳賀敬司(けいじ)さんに話をうかがいました。
【CASE5】「話が進むのが早くなった」。部門を超えたコミュニケーションを活性化させた日本ベクトン・ディッキンソンのオフィスづくり
多くの企業がリモートワークを取り入れている中、オフィスの価値が問われています。「当社でもリモートワークが可能となっている中で、オフィスに出社する価値をどこに見い出せば良いのかな?そんな思いって少なからずあると思うんですよね」。
「日本ベクトン・ディッキンソン株式会社(以下:日本BD)福島工場」で執務エリアのリニューアルを担当した、同工場エンジニアリングマネジャーの吉田英二(えいじ)さんは、社員が出社したくなる理由がオフィスに必要だと、実感を込めて話します。
2021年10月、空間づくりで企業の課題を解決する「コクヨ東北販売株式会社」の支援を受けて、リニューアルした同工場の執務エリア。コンセプトは「ワクワクするオフィス」。オフィスの価値を高めるために同工場が実践しているオフィスづくりを取材しました。