奈良県御杖村(みつえむら)の山の中の旧街道、鞍取峠(くらとりとうげ)を越え、桃俣(もものまた)の集落に入ってすぐの民家の軒先で、地元のおじさんが歓迎してくださいました。
「うれしいんや、うれしいんや、歩いてくれてうれしいんや」と言いながら話しかけてくださいました。
2018年の12月30日、大阪ユースホステル協会が主催する「伊勢迄歩講(いせまであるこう)」の参加者は、奈良県御杖村を歩いて通りました。一行は村のあちこちで、これまで以上に歓迎していただけました。
桃俣を過ぎた後は、菅野の集落にある旧宿場町を思わせるような古民家でお接待をしていただきました。また、学校跡地を利用してつくられたみつえ体験交流館では、ゆるきゃらのつえみちゃんが迎えてくれました。観光協会の方からは猪汁を振る舞っていただき、冷えた身体を温めることができました。三重県との県境近くにある道の駅では、姫石の湯(ひめしのゆ)に浸かって1日の疲れを癒やすことができました。
伊勢本街道は、江戸時代には伊勢を参詣する人たちで賑わったそうです。また、伊勢に神宮ができる前のこと、垂仁(すいにん)天皇の皇女である倭姫命(やまとひめのみこと)は、天照大神(あまてらすおおみかみ)をお祀りする場所をお探しになっているときに、この辺りを候補地として御杖を残されたという伝承があります。御杖村という名前はこの伝承が由来なんだそうです。
こういう歴史があるから、御杖村の人たちは伊勢本街道に対する思い入れが他の地域よりも強いのかもしれませんね。だから、今でも伊勢まで歩いてお参りする人たちに親切にしてくださるのかもしれないですね。
紀伊半島魅力発掘隊Facebookより 2019年2月15日の投稿