
いつも愛犬を散歩に連れて行く近くの公園を歩いていたら、向こうからバイクが坂道を上がってきてすれ違いました。ひと目見て、「何かが違う」と感じた筆者が、もう一度そのバイクに振り返ると、どう見ても今のは仮面ライダー!
ちょうどクルマに向かって戻るところでしたので筆者はバイクが入って行った駐輪場のほうへとクルマを走らせました。
ほどなく先ほどのバイクが駐めてあるのを見つけましたが、肝心のライダーはいません。
周囲で作業をされていた公園管理の人たちに「仮面ライダーを見かけなかったか?」と尋ねましたが、怪訝(けげん)な顔をされるだけで、どなたも気づいていなかったご様子。
バイクを改めて見に行くと、手作り感満載の触覚が生えたヘルメットがぶら下がっていました。
しばらくバイクのそばで待っていると、向かいのサイクルステーションのトイレからご本人が登場!
ヘルメットを脱いでいても、フェイスマスクをかぶっておられたので素顔は拝見できませんでしたが、筆者は常にカメラ持参で歩いているので、名刺を渡しながら挨拶し、急遽取材と相成りました。
差し支えなければお名前をお聞きしようと思いましたが、月光仮面も「謎の人」なので、ニックネームだけ伺うことにしました。
丹波篠山市までは県道で一本の場所にある兵庫県尼崎市在住とのことで、ニックネームは仮面をかぶった尼崎市民ということで尼面(あまめん)さんとおっしゃるそうです。
バイクは地元・神戸が本拠地の川崎重工が誇るカワサキ・グリーンのニンジャ400cc。
最近4気筒エンジン版が復活しましたが、彼のバイクは軽快な2気筒版とのことでした。
なぜ仮面ライダーに?
仮面ライダーになったなれそめを単刀直入にお聞きしました。
彼の容姿はすらっとした長身でお若く見えましたが、なんと仮面ライダー1号・2号の本放送をリアルタイムでご覧になっていた還暦世代とのことでした。
16歳でバイクの免許を取り、乗り始めたそうなのですが、彼は幼少の頃から心臓が悪く、何度も手術を受けてきた経緯があり、いつの頃からか自分を仮面ライダーのような改造人間のように思い始めたそうです。
そういうわけで、仮面ライダーになりきってバイクを楽しんできたという、究極のポジティブ思考な方です。
仮面ライダーといえば、敵であるショッカーは世界征服をたくらんでいる割には意味不明で地味な活動が目立ちましたが、尼面さんの場合はバイクで走っているとあちらこちらで子どもたちから声をかけられては写真撮影に応じているという、やはりローカルですが極めて平和的な活動をされているそうです。
尼面さんはまた、ご親戚が丹波地方におられるということもあり、丹波篠山市にはよく出没されるとのことです。
今日もこれから、丹波市にある道の駅に寄ってから、加古川沿いをツーリングしながら帰る予定とのことでした。
還暦の方が16歳から仮面ライダー。
いまでこそはやりの、コスプレのはしりだったということですね。