風見鶏ならぬ「風見鮎」?寒風にカラカラと回り、行き交う町民を見守る鮎たち。【宮城県加美町】

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何気なく空を見上げると、街灯の鮎(あゆ)が風に吹かれて回っている。

私はいつも「鮎の凛烈 川よ渡れ」という町民憲章の一節を思い浮かべ、東京で暮らす息子たちの無事を祈る。

加美町役場前の通りには、一番上に鮎のオブジェの付いた街灯がならんでいる。

晴れた日には日光で光り、風の強い日にはカラカラと音を立てて回る。一つ一つが手工芸品のようで、とても魅力的な鮎たちだ。

加美町を流れる鳴瀬川には、毎年7月の鮎釣り解禁前から町内で養殖された稚魚が放流される。「アユ」は町魚にも定められており、町のシンボルとなっている。

加美町は宮城県北西部に位置し、仙台から車で1時間、東北新幹線古川駅から車で20分程にある人口約2万人の自然豊かな町である。

2003(平成15)年4月に3つの町(旧中新田町、旧小野田町、旧宮崎町)が合併して、加美町が誕生した。旧中新田役場庁舎が加美町役場となり、今年で23年になる。

1995(平成7)年10月発行の「中新田の歴史」普及版には「平成3年4月に役場前コミュニティ道路全線開通」と記載されている。街灯も同時期に設置されたものと思われる。

  

加美町町民憲章(平成17年2月制定)

夢 海をめざし
愛 ふるさとに帰る
鮎の凛烈
川よ語れ

凛烈(りんれつ)とは、寒さがとても厳しく、身のひきしまるさま。

東北の冬は厳しいが、冷たい風雪に吹かれながら、子どもたちは元気に通学している。

高校卒業と同時に町外へ進学や就職することが多い。遠く離れても、きっと心のなかに故郷があるだろう。親もまた、子どもたちが鮎のようにたくましく成長し帰ってくることを願っている。

2028(令和10)年には庁舎建設移転が計画されており、現庁舎は解体される予定だ。

街灯の鮎たちは、町の新たな歴史を見守っている。

春の鳴瀬川

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小林貞子

小林貞子

宮城県加美町在住。DNAは生粋の加美町人。
生まれは千葉、育ちは長崎、沖縄、兵庫、東京、結婚してからは埼玉、奈良、宮城に移り住みました。「住めば都」私のふるさとは日本各地にあります。
ささやかな楽しみはコーラス、ライフワークは商店街にぎわいづくり。

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