牡蠣のカンカン焼きで牡蠣小屋気分を味わう!

宮城県気仙沼市の唐桑町にはカキが食べられる「かき小屋」 がある。海に浮かぶカキ養殖用のいかだを眺めながら、小屋の中では1m四方程の鉄板の上でゴロゴロの殻付きのカキを山積みにして蒸した後、自分で殻を剥いて食べる店だ。しかし、今はコロナウィルス感染症拡大に伴う営業自粛で食べに行けない。そんな時目にしたチラシが、自宅でカキ小屋の雰囲気が味わえる「カキのカンカン焼き」だ。その販売店でナイスガイなご主人に出会った。

【写真】カキのカンカン焼き(茶処プランタン提供)

初めて注文する殻付きカキのカンカン焼きに心が躍る。注文先は「茶処プランタン」。気仙沼市唐桑町宿浦にある古民家を改装した味のある和風なたたずまいの飲食店だ。商品は配送か持ち帰りのみで、店内では食べられない。3月に気仙沼湾横断橋も開通したので、海上ドライブを楽しみながら唐桑半島まで買いに来たのだ。

【写真】茶処プランタン

「ごめんくださ~い」。店内に入ると、さっそくカンカンの入れ物が目の前に運ばれた!店主がふたを開けた途端にふわ~っと磯の香りに包まれた。
「うわー迫力ですね~」と私。中を覗き込むと、ゴツゴツした殻付きのカキとホタテがゴロゴロ重なり合っている。わーい、こりゃ家でのビールがうまいぞぉ!わくわく♪

【写真】自宅で地ビールと一緒にいただくカキのカンカン焼き

すると、店主のお父さんがニコニコしながら話しかけてきた。
「これはっさ、耳吊りっていって実入りがよぐなんのっさあ」
カキ一つ一つをいかだに吊るす漁法なので、カキのエサであるプランクトンをより食べやすくなり、成長が増すのだという。さらに人懐っこそうな目を輝かせて店主は語り出した。
“ 山からの雪解け水が土壌のプランクトンをじっくり運んでくれる事。海のシケは海底に沈むプランくトンを海上に回すのにとても大切な役割がある事。漁師はいかだに吊るした無数のカキたちのかたまりを1本1本くくりなおして、外海まで船で移動して栄養をつけさせ、2年かけて大切に育てていると言う事 ”等々。お~何か海洋学習してるみたいで楽しい~。まさに海と生きる人達だ。

【写真】茶処プランタン店主の小山利博さん

で、この方は一体何者?元漁師さんなのだろうか?
これ程までに熱く語り、なぜそんなにカキに詳しいのか興味がわいてきたので訊ねてみた。
唐桑の漁協組合に42年間勤務していたという唐桑町にお住いの小山利博さん70歳。
震災後にカキ小屋の店長も務めていた時期があったそうだ。
組合の役割は生産者の運営しやすい環境作りだ。
中には衝突もあり、漁場をめぐってのいざこざもあった。生産者と話し合いをしながら一緒に美味しいカキの養殖を研究し、漁場を見守ってきた人だったのだ。
「大変などぎもあったけんとも、うまぐいって水揚げにつながったどぎが苦労がむぐわれでうれしいのっさ~」と小山さんは優しい笑顔で私を見つめる。
生産者の物作りの苦労を間近で見てきただけに、多くの人に唐桑産の美味しいカキを食べてもらい、生産者の力になりたいのだそうだ。
退職前に始めた飲食店は3.11の東日本大震災で流されたが、家族でプランタンを再建して6年が過ぎた。地元の食材を生かしたメニューが揃っていて、今や県外からのお客さんも来る人気店だ。

【画像】プランタンのメニュー

また、唐桑半島の南端の御崎というところにキャンプ場があり、3密を避けられ、ひそかなブームになっている場所がある。

【写真】唐桑半島のキャンプ場「御崎野営場」

小山さんは「前もって連絡くれれば、石屋水産の芳則君がら直入荷すっから、キャンプ場に届げるよ」「リクエストがあればホヤも剥いでかせるよ(食べさせるよ)」と言っている。明るくてサービス精神旺盛な人だ。
カキは6月まで食べられる。ホタテ、ホヤ、ウニ、わかめ等、季節の旬のものの配達に応えてくれる。
プランタンで食事するも良し。広田湾を臨むキャンプ場で波の音を聞きながら、焼いたり蒸したりの海の幸を堪能するも良し。ぜひ興味があればプランタンに連絡して欲しい。
さて、お家でカキはおいしくいただいた。満足満足。カンカンはまた使えるから取っておこう。

これからも興味のある事、気になることを探ってみよう。また素敵な出会いにつながるような気がする。

斎藤 和枝

宮城県気仙沼市/第1期ハツレポーター

1988年(昭和63年)東京コンセルヴァトアール尚美 電子オルガン学科卒業。
タレントの小泉今日子と同い年で演歌の小林幸子に似ています。
谷川俊太郎の詩「生きる」に感銘を受けました。
日課はブロックパズルと猫や犬のおもしろ動画で爆笑する事
ウクレレ使って歌える観光ガイドを目指しています。