
KDDI株式会社(以下、KDDI)は「au」ブランドを展開し、通信キャリアとして私たちの生活インフラを支える誰もが知る企業。そのKDDIは2020年から地域共創推進部を立ち上げ、自治体などと連携をした防災DX、自治体DX、関係人口などの分野で地域伴走し、地域活性化を目指してきました。
AI時代で画一化が進む中で「全国一律ではなく、その地域の『らしさ』を生かした地域活性化」を大切にするKDDI。地域らしさを生かした地域活性化を行う背景や意義、今後の展望について、地域共創推進部長の白井大介(しらい だいすけ)さんに伺いました。
目次
インフラを支えるKDDIが地域活性化に取り組む意義。「地域のらしさ」を残し、生かす地域の魅力化

地域共創推進部は2020年に立ち上がり、地域の本質的な課題に向き合い、伴走支援を行っています。KDDIでは地域共創推進部が立ち上がる以前からドローンを使ったインフラ点検や災害救助など社会課題に直結する事業を行ってきました。
KDDIが地域活性化に取り組む意義について、白井さんは「地域インフラを支える企業として、全国でサービスを展開・提供しているため、地域活性化に取り組むことは自然なことだと捉えています」と話します。
通信インフラを通じて、地域の暮らしを支えてきたからこそ、地域の活性化にも携わりたいという思いを持つKDDI。2026年5月に発表をした中期経営戦略では、「AI前提社会」にも触れており、今後はあらゆる場面でAIが活用されると誰でも同じようなアウトプットが出せるようになり、差別化が難しくなると捉えています。地域活性化の分野も同じで、効率性や利便性を追求するだけでは、地域ごとの違いが見えにくくなる可能性があります。だからこそ、その土地に根づく文化や歴史、人々の営みといった、地域ならではの価値を見つめ直し、生かしていくことが重要になります。
「その中で、大切になるのは『地域の魅力化』だと捉えています。全国でサービスを提供する我々にとって、地域の魅力化に貢献しなければ事業自体も縮小してしまうと考えています。だからこそ、地域特有の文化や特長『らしさ』を残し、それらを生かした活性化を目指しています」
自社サービスだけでなく、地域と企業・団体の共創で地域を前に

地域共創推進部ではこれまで、自治体や大学と連携協定を結び、災害・防災、鳥獣害被害など、地域ごとの課題解決に取り組んできました。課題に応じて、社内サービスを組み合わせて提案したり、補助金の獲得を支援したりしています。
さらに2025年8月には、さまざまな企業・団体がそれぞれの技術やノウハウ、商品・サービスなどを持ち寄り、地域の課題に合った解決策を一緒につくる取り組み「YORIMIRAI」を立ち上げました。KDDIは立ち上げを主導した企業の一社として事務局を務めるとともに、アセットを提供するアライアンスパートナーの一社でもあります。
YORIMIRAIは発足から約1年が経ち、さまざまな成功事例が生まれつつあると言います。宮崎県のプロジェクトでは、県産品の魅力をより多くの人に届けるため、地域活性化に取り組む学生のアイデアと「ローソン」が連携。学生のアイデアを生かしておにぎりやパンを共同開発し、九州エリアの店舗で販売する取り組みが始まりました。YORIMIRAIを通じて生まれた地域の人々や企業のつながりがその後の取り組みを支え、現在も継続的な商品開発・販売につながっています。
YORIMIRAIは、2026年9月には参画パートナー企業・団体が100社を突破し、さらなる地域貢献を目指しています。
地域課題の本質を拾い上げ、地域が自走できる伴走を

これらの取り組みを進めるうえで、「地域課題の本質を拾い上げること」が重要だと白井さんは話します。
「自治体や地域の団体と取り組む中で、地域を良くしたいという思いを持つリーダーがいても、旗を振らないと一過性で終わってしまうという課題がありました。そして、地域の課題もふわっとしている。そこで対話を通じて課題を具体化してみると、リーダー自ら周りを巻き込み、取り組みが広がっていったのです。こうした経験から、対話を通じて課題の本質を拾い上げることの重要性を実感しました」
例えば、「観光で人を呼びたい」と大きな粒感で相談。このようなざっくりとした地域のニーズに対して、現地に入ってリーダーや地域住民から丁寧にヒアリングすることに加え、これまでKDDI、事務局各社やパートナーが培ってきたフレームワークなどを用いて、地道に課題を細分化・明確化する。そうすることで地域住民の課題への理解も上がり、自ら動き出すことができるのです。
「地域の目線で課題を捉え、地域の人を主役にすることが企業としても健全で継続的な関わりだと思っています。そして、最終的には地域の方々が自走できることが理想」
本質的な課題を拾い上げ、課題の解像度を上げていく。そして、KDDIやYORIMIRAIが持つアセットを活用し課題解決に向けた伴走を行い、全国一律ではない「地域らしく活性化していく」。KDDIはそんな未来を見据え、今後も地域共創に挑んでいきます。
※写真はKDDI提供及び筆者撮影
聞き手・書き手:ローカリティ!編集部 國府谷純輝
印象に残った言葉
課題解決に向けた伴走を行い、全国一律ではない「地域らしく活性化」していく
取材先情報
- 取材先: KDDI株式会社
- 地域共創URL: https://www.kddi.com/corporate/sustainability/regional-initiative/
- YORIMIRAI:https://yorimirai.com/






