小島神社プロジェクトのメンバーら
壱岐島(いきのしま)は長崎県にある離島です。その離島の中にある離島「小島」は島全体が神社になっています。普段は海に浮かび、干潮の前後数時間だけ参道を渡ることができることから「壱岐のモンサンミッシェル」ともいわれています。現在、その「小島神社」の参道が崩落の危機に瀕(ひん)しています。神社の補修には17戸の氏子らだけでは手に負えない高額な工事費用が必要なため、住民や氏子らがクラウドファンディングを開始しました。
目次
干潮時に浮かび上がる参道が神秘的で人気に
写真提供:(一社)長崎県観光連盟
平成27年に日本遺産に内海湾(うちめわん)が選ばれたことで、注目されはじめた「小島神社」。内海湾は、かつて対馬や朝鮮半島、九州との間を行き来する商人が、船を停泊させた場所として歴史的にも重要な意味を持ちます。小島神社は内海湾に浮かぶ神社で、干潮の前後数時間だけ参道が浮かび上がるのです。その様子が、フランスの世界遺産で、四方が海に囲まれた街モンサンミッシェルのようだと「壱岐のモンサンミッシェル」と呼ばれることもあります。
オーバーツーリズムでお宮への階段が崩れかけている
崩れかけた石段
「小島神社」は、およそ200メートルほどの参道の先に白い鳥居、その先に小島がありますが、現在小島の裏にある参道の階段が崩れかけています。「小島神社が注目されるまでは、氏子らが神社に参拝したり、お祭りの時に行ったりするくらいだった」と小島神社氏子会総代の末永和平(すえなが・かずひら)さんはいいます。しかし注目を浴びたことで参拝者が想定以上に増えたため、もともと柔らかい土壌に作られていた階段が崩れ始めたそうです。「観光客が来てくれるのはうれしいことだけど、お宮へ上がれなくなったらどうしようもない」と末永さんは心配しています。これまでは氏子らで協力して少しずつ参道などの補修をしていました。しかし氏子も高齢化のため現在では17戸にまで減ってしまって、お手上げ状態だといいます。
「潮待ち」で高額な工事費用がかかる
「小島神社」の周辺は、干潮前後数時間以外は海の中です。干潮時のみ現れる島へと続く参道は柔らかい地盤のため、車両で資材の搬入ができず、材料や工具などは全て手作業で運ぶことになるといいます。また満潮時には神社に渡れず作業を中断しなければならない「潮待ち」という特殊な条件が重なるため、工事には高額な費用がかかります。
地元住民の誇り「小島神社」を、クラファンで救おう
「小さいころから大事にしてきた伝統ある神社を守りたい」と話す氏子会総代の末永さん
そこで立ち上がったのが「田河(たがわ)まちづくり協議会」です。小島神社プロジェクトと題してクラウドファンディングを実施しているまちづくり協議会は、地域の環境保全や地元住民向けイベントの企画を行う地域住民による自発的な組織です。田河まちづくり協議会の会長・采田眞治(うねだ)さんは「まちづくりアンケートでまちの魅力をたずねたところ、子どもも大人も『小島神社』の回答が一番多かった。地元の人も誇りに思っている小島神社。これからもたくさんの人に訪れていただくためにも、みなさんの力を貸してほしい」と支援を呼びかけます。
クラウドファンディングはすでにスタートしていて、2024年7月31日まで。1,000万円を最終目標に掲げており、返礼品にはお守りや御朱印、壱岐焼酎など壱岐に関連するものが用意されています。
貴重な「壱岐のモンサンミッシェル」を後世に残すために、ぜひプロジェクトに参加してみてはいかがでしょうか。
写真は、2024年5月29日筆者撮影 ※一部(一社)長崎観光連盟の提供写真あり
クラウドファンディング「レディーフォー」
https://readyfor.jp/projects/kojima1000
田河まちづくり協議会_小島神社プロジェクトインスタグラム
1 件のコメント