「協和は通過点じゃない」通過される地域の住民が立ち上がってイベントを開いた!【秋田県大仙市】

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あきたの物語」は、物語をとおして「関係人口」の拡大を図ることで、県外在住者の企画力や実行力を効果的に生かした地域づくりを進め、地域の課題解決や活性化を促進する事業として秋田県が2023年度から始めました。秋田県や秋田にまつわる「ローカリティ!」のレポーターや地域の関係者が、秋田県各地の人々の活動を取材し「あきたの物語」を執筆して秋田県を盛り上げています。

秋田県のほぼ中央に位置する、大仙市協和地区。地区内に国道13号線と46号線が通り、人口の多い大仙市大曲地区と秋田市の間、また、観光地である仙北市角館(かくのだて)や田沢湖に向かう途中に位置することから、ドライバーや旅行者にとっては「通過点」と認識されやすい地域です。

この地域の活性化を願う住民たちが、「通過点と呼ばれないように」と思いを込めて企画したステージ・マルシェイベントが、「協和は通過点じゃない。」です。(2024年7月14日(日)開催予定)

うちの地元には何もない「通過点」と思っていた

2023年6月11日にも開催された同イベントでは、まさに協和を通過しようとしているドライバーにアピールするがごとく、国道13号線から良く見える旧大安閣駐車場において、県内のアーティストによるステージや地域商店や地元有志によるマルシェが行われました。

地元の自動車店では、車の試乗も!
キャンプ好きな人へ、薪も販売!

また、2024年の1月21日には、「みんなにさらに強く印象を残すように」と「番外編」と称して大仙市協和市民センター和ピアで同イベントが行われました。天候に左右されると人の動きが止まってしまう冬場の開催にもかかわらず、今が冬であることを忘れるくらいの熱気が会場を覆いました。

※大盛り上がりのステージイベント

近くの住民からは「刈和野(かりわの)や大曲・秋田市と近隣の町には大きな祭りがあり、買い物ができる大型店などもあるので、そこを目指して向かう人は多いけど、うちの地元は何もない、まさに通過点と思っていた。地元が盛り上がってくれているのが凄く嬉しい。第2回、3回と続いて更に盛り上がってくれることを期待します」との声があがりました。

「通過点」ではなかった時代の協和地区

2005年に8市町村が合併して大仙市の一地区となった協和地区。合併前の仙北郡協和町の1970年頃は、働き盛りの世代が多く、地元の中心産業だった農業が非常に盛んでした。また、中心地のJR奥羽(おうう)本線羽後境(うごさかい)駅前周辺には大きな工場などがいくつかあり、仕事終わりの夕食の買い物の時間帯は人でごった返すほど賑わいのある商店街でした。当時地域には4つの中学校と9つの小学校があり、人口も働き場所も多くあったのです。

それから半世紀後の大仙市協和地区の年齢別人口統計表※によると、0歳から9歳までの人口は200人に満たず、10歳から19歳までの人口は300人程度にとどまります。少子化の影響で学校の統廃合が進み、現在は大仙市立協和小学校と同市立協和中学校の小中1校ずつとなっています。農業への就業人口は当時の10分の1ほどに減少し、大きな工場はほとんどなくなり、秋田市や大曲などの近隣の地区へ働きに行く人がほとんどを占めています。

※参考資料大仙市の統計表

誰かが行動を起こすことで魅力あふれる場所になっていく

「古くからある唐松神社、協和温泉や協和スキー場はもちろん魅力がありますが、その土地を守るために誰かが行動を起こすことでさらに魅力あふれる場所になっていくと思うんです。ここにしかない目的を求めて来てもらえるような地域にしていきたい」と実行委員の田澤晃子(たざわ・あきこ)さんは話します。

※実行委員提供写真 2023年実行委員メンバー・前列右から2番目が田澤さん 

1月の「協和は通過点じゃない。番外編」では、協和中学校による子供服やぬいぐるみ・絵本など、家で使わなくなったけど、まだきれいだし誰かに使ってもらいたい!というものを生徒の各家庭から集めて不要品の譲渡会を行いました。

「地域の中学生にも、大人がアクションをおこすことで人を呼び込んで地域を変えていくのを見せていきたい」

「地域の若い人たちを育てるのも、自分たち大人の責任」という田澤さんは、自分たちの行動によって、県内だけではなく県外からも多くの人が訪れて「地域の力」になってくれる可能性があることを知ってほしいと話します。

「秋田で大人気の秋田県非公認キャラクターのあーまんや大仙市のゆるキャラやヒーローが大集合するんですよ。ナマハゲの和太鼓ライブもすごくかっこよくて見ごたえがたくさんあります。7月の3連休中日ということもあり、県外からの旅行や帰省の際にイベントに遊びに来てほしい。またボランティアスタッフやマルシェへの出店者も大いに募集しているので気軽に参加してくれたら嬉しい」と田澤さん。

秋田市に向かう人、大曲に向かう人、角館や田沢湖に向かう人。でも大仙市協和は通過点じゃない。この日、地元の皆さんのチカラを借りてマルシェを開く。
秋田で、大仙市で活動するエンターテイメントのチカラを借りる。
きっと楽しい日になる。
※イベントのポスターより

イベント詳細

日時:7月14日(日)10:00~16:00

場所:国道13号線 旧大安閣駐車場:秋田県大仙市協和船岡合貝(あわせがい)44-5

イベント内容:

NAMAHAGE郷神楽ライブ

秋田県非公認キャラクターあーまん+大仙市ヒーローゆるキャラ大集合

使える不用品の詰め放題

産直野菜販売

地域有志マルシェ多数

キッチンカー参加多数

関わりしろ

イベント参加

ボランティアスタッフ(7/5締切)

  • 問い合わせ先に記載の田澤さんに事前連絡した上でイベント当日8:00に現地集合をお願いします。

マルシェ出店(6/21日締切)

  • 県内外問わずハンドメイドや体験型の出店、お野菜などのグリーンブースや飲食(保健所申請必須・電器が必要な場合発電機持参)など様々な企画の参加を受け付けております。
  • 企画に参加される場合には問い合わせ先に記載の田澤さんにご連絡ください。
  1. テント・テーブル・椅子持参の場合 1ブース3000円
  2. テント・テーブル・椅子の貸出が必要な場合 1ブース4000円
    1. ブースサイズ2.5×2.5m
    2. 出店料は前納でお願いします。
    3. 出店者用駐車場カードを事前にお渡しいたします

問い合わせ先
協和は通過点じゃない。実行委員会
カフェネノリア 
火~土曜日
9:00~16:00
018-892-7207 田澤

天野崇子

天野崇子

秋田県大仙市

編集部編集記者

第1期ハツレポーター/1968年秋田県生まれ。東京の人と東京で結婚したけれど、秋田が恋しくて夫に泣いて頼んで一緒に秋田に戻って祖父祖母の暮らす家に入って30余年。

ローカリティ!編集部のメンバーとして、みなさんの心のなかのきらりと光る原石をみつけて掘り出し、文章にしていくお手伝いをしています。

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