ローカリティ!時代の開拓者たち

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「ありがとう」が人を変える。保育・人材・介護で、人を活かし、未来を創造する【東京都渋谷区】

3 min
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「人」を軸とした人材事業から、保育、介護へと事業領域を広げるライク株式会社。保育園や学童クラブの運営、人材サービス、介護施設の運営など、人生のどの段階においてもなくてはならない事業を展開しています。

その歩みは単なる多角化ではありません。

背景にあったのは、働きたくても働き続けられない人、社会との接点を失いかけた人、安心して暮らせる場所を必要とする人の存在です。子育て、就労、介護。人が生きるうえで直面する課題に向き合う中で、事業は広がっていきました。

「…planning the Future ー人を活かし、未来を創造するー」

この理念は、どのような経験から生まれたのでしょうか。代表取締役会長兼社長の岡本泰彦(おかもと・やすひこ)さんに、その背景と未来への構想を伺いました。

「ありがとう」が人を変える。自分の価値に気づかせることで、若者らの力を引き出す

岡本さんは、1993年にパッケージ旅行の企画で事業をスタート。その後、携帯電話端末の販売に事業を転換し、成果を収めました。

当時、若者にとって身近で関心の高かった携帯電話の販売事業は、「一緒に働いていた若者たちの力を引き出した」と岡本さんは振り返ります。接客の現場で携帯電話の使い方を丁寧に説明し、販売する。彼らの接客がうまくなればなるほど、売上も伸びるようになりました。「ある女性スタッフが、『人生で初めてありがとうと言われた』と報告してくれたんです。この「ありがとう」と言われた経験で、仕事への向き合い方がいい方向に変わっていきました」

たった一言の『ありがとう』で人は変われる―― 。

人が自身の価値に気づき、社会の中で役割を持つことが大切だと気づいた岡本さんは、より人の可能性を広げたいと思い、通信業界に特化した人材派遣事業へ進出します。

「この人たちを何とかしたい」目の前に来た人が働ける場所を作りたい

当時、派遣登録に訪れるのは、フリーターやニート、高校中退者など、大手人材会社では受け入れられにくい若者たちでした。面接に普段着で来る人もいれば、髪を派手に染めたまま来る人もいました。

そんな状況でも岡本さんたちは、来てくれた人に仕事を提供しようとしました。

面接用のジャケットの貸し出し。髪を黒くするスプレーの用意。就業初日にはモーニングコールをして、起きたかどうかだけでなく、家を出たかどうかまで確認していました。

岡本さんが「この人らを何とかせなあかんな」と感じた上での行動でした。

救済を掲げたわけでも、大きな社会変革を声高に語ったわけでもありません。ただ、目の前に来た人を見捨てず、その人が働ける場所をどうつくるかを考えました。

女性離職の現実。課題に向き合うことで生まれた保育・介護事業

当時、雇用していた派遣スタッフの約75%は女性で、平均年齢は27〜28歳。結婚しても働き続ける人は少なくありませんでしたが、子どもを預ける場所がないために退職を選ばざるを得ない人もいました。

その現実を問題視していた矢先、業績不振に陥っていた保育事業者から資本参加の依頼を受けます。社会に必要な事業でありながら、経営が成り立っていない。「そうであれば、女性が働き続けられるよう、自分たちで保育事業を立ち上げようと」と、社会的な課題に向き合ったことが、保育事業への参入につながりました。

さらに、別の離職理由も見えてきました。親の介護です。子育てが一段落し、再び仕事で力を発揮し始めた人が、今度は親の介護を理由に退職していく。この課題も自分たちで解決しようという思いから、介護施設の運営事業がスタートします。

働く人が子育てで辞めていく。介護で辞めていく。ライクの事業は、そうした身近な課題と向き合う中で広がっていきました。

長く続けるための適正な利益。働く人も利用する人も大事

保育、人材、介護。ライクの事業に共通しているのは、短期的な利益よりも、継続して価値を届けることを重視している点です。

介護事業では、24時間体制を整え、看取りにも対応しています。収益性だけで考えれば、決して効率のよい取り組みではありません。それでも岡本さんは、必要なこととして続けています。

「保育も介護も、継続できなければ利用者に対して無責任になります。だからこそ、過度な利益ではなく、事業を続けるための適正な利益を積み重ねることを重視しています」

急成長ではなく、安定成長。短期的な拡大ではなく、長く続く仕組み。

多くの企業がAIやDXを活用していく中で、保育や介護は、人が人と向き合うことで成り立つ事業です。働く人、利用する人を大事にし、「人」を軸に考えるライクにこそ成しえる事業なのです。

「人を活かし、未来を創造する」

ライクは今、日本国内だけでなく海外にも視野を広げ、2026年にはインドネシアで保育事業を見据えています。現地の施設を視察した岡本さんは、子どもを預かる場所でありながら、設備や見守りの体制が十分とは言えない保育環境に課題を感じたといいます。

そこで展開しようとしているのが、日本式保育です。日本の保育が大切にしてきた安心・安全の考え方を海外に広げることで、現地の子育て環境をより良くしようと考えています。

子どもが安全に育つこと。働く人が仕事を続けられること。高齢者が尊厳をもって人生の最期まで過ごせること。そして、働く人が自分の価値に気づくこと―― 。ライクが取り組んできたことは、それぞれ別の事業に見えて、すべて「人を活かす」という一本の線でつながっています。

「人を活かし、未来を創造する」という理念は、目の前の一人ひとりに向き合い、社会で見過ごされてきた課題に手を伸ばし続けた結果として、ライクの目指す未来そのものなのです。

聞き手:丸山かなみ 執筆者:田口有香

印象に残った言葉
「この人らを何とかせなあかんな」

写真は取材時に撮影したものと、ライク様からご提供いただいたもの

【会社情報】
会社名:ライク株式会社
設立:1993年9月
2016年12月 「ジェイコムホールディングス株式会社」より商号変更
グループ理念:…planning the Future ー人を活かし、未来を創造するー
本社:〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂一丁目12番1号 渋谷マークシティ ウェスト17階
事業内容:・子育て支援サービス事業・総合人材サービス事業・介護関連サービス事業を営む事業会社を擁する持株会社
・グループ全体の経営方針策定及び経営管理並びにそれに付帯する業務
URL:https://www.like-gr.co.jp/

田口有香

田口有香

第4期ハツレポーター/ライター兼農家の嫁であり、3人の子どもの母。生まれ育った大阪から壱岐島に家族で移住。
壱岐島は長崎県の離島ですが、福岡から高速船で65分という抜群のアクセス!!海がきれいなのはもちろん、お魚もお肉も野菜も米も焼酎もそろっておりグルメも自慢できます。

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