東京都世田谷区にある豪徳寺(ごうとくじ)には、大量のまねきねこが奉納されています。まねきねこのモデルは今から400年前に、この寺にお殿様を招いた白猫の「たま」。
今回は大量のまねきねこに囲まれる寺、豪徳寺をご紹介します。
お殿様のハートを掴んだお手柄猫!
曹洞宗大谿山豪徳寺は、東急電鉄世田谷線、宮の坂駅から徒歩5分ほどのところにあります。
境内の一角に大量のまねきねこが奉納されているスペースがあり、その数は10,000以上と言われています。
この豪徳寺のまねきねこは「招福猫児(まねきねこ)」と呼ばれ、400年前に寺で飼われていた「たま」という猫がモデルになっているそうです。
ある日、鷹狩りにきたお殿様が白い猫に招かれ寺に立ち寄ることに。するとまもなくして辺りは激しい雷雨となり、お殿様は間一髪で難を逃れることができました。しかも和尚の面白い話も聞けたということで、お殿様はこの幸運に感動したそうです。
そのお殿様というのが江戸時代前期の彦根藩主の井伊直孝で、豪徳寺は井伊家の菩提寺として栄えるのでした。
小判を持たない珍しいまねきねこ
「たま」をかたどった豪徳寺の招福猫児は、一般的に知られるまねきねこと違い小判を持っていません。招福猫児は福をもたらすのではなく人との縁をもたらし、縁を活かせるかどうかはその人次第だという考えからだそうです。
豪徳寺では招福猫児を売店で購入することができ、そのご利益を得た人たちが感謝の気持を込めて豪徳寺に奉納しているため、既に人々に幸福をもたらしたたくさんの招福猫児が並んでいるのです。
あなたも豪徳寺の招福猫児のご利益にあやかってみてはいかがでしょうか。
写真は全て2023年8月15日 筆者撮影