〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜
福岡市博多区の工業地区にある芙蓉(ふよう)株式会社は、福岡市指定障がい福祉サービス事業者として印刷関連や製造事業を行っています。
社長を務める三輪公平(みわ・こうへい)さんは、以前デザイン事務所に勤めていて、パッケージデザインや商品開発のディレクションを担当していました。同僚のデザイン制作担当者は障がいを持っておられたそうですが、素晴らしいデザイン能力を生かして活躍していました。「障がいの有無は特に仕事に関係がない」と、身をもって体験したそうです。
「時代の流れで精神障がいを持つ方が増えている。そういった方々と働く場を作りたい」との思いから、社長のデザインスキルを生かし、障がいを持つ方々とともに文房具を製造しています。
「みんなでやる」と決めた、手作り本革カバーへの挑戦
「リーダーズメモ」は洗練された社名である「Fuyo」のロゴに、国産レザーのカバーという組み合わせで、高級感を演出しています。
当初はメモ帳のみを販売していましたが、思うように売上が伸びませんでした。そこで工場で働く皆さんで話し合った結果、メモ帳用の本革カバーを作ることになりました。
大きい革から型に合わせて切り出す作業をはじめ、カバー作りに関するさまざまな行程を、一から技術習得する日々が続きました。
なかでも難しいのが一針一針、革を縫う作業です。真っすぐ均等に縫うという作業は難しく、習得するまでに時間がかかりましたが、およそ1年かけて、ようやく商品化することができました。「みんなでやろうと決めたことだから、諦めずにできた」と、社長は言います。
「誰もが自分に合った仕事を見つけられる」社会を目指して
今では社員の皆さんが革の扱いにもすっかり慣れて、熱心に作業をしているそうです。
革の磨きがうまい人は「磨き」、縫うのがうまい人は「縫う」、切るのがうまい人は「切る」。
誰でも得意なことと不得意なことがあります。得意なことを仕事にすれば良いと思います。
障がいがあってもなくても、みんなが自分に合った仕事を見つけられる社会を目指して、芙蓉株式会社はこれからも新しい商品をデザインしていきます。