
焙煎前のコーヒーの生豆を使用したグリーンコーヒーで「日常から健康を作り出す」ーー。そんな思いで挑戦を続けているのが、グリーンコーヒー専門店「ミドリノタネ」の創業者・田近義貴(たちか よしたか)さんだ。かつては大手コンビニエンスストアの本部でスーパーバイザーとして働き、経営戦略を担っていた。しかし、彼が選んだのは安定したキャリアを捨て、未知のフィールドに飛び込むという道だった。“本当に価値のあるものを届ける”という信念をもとに日々、活動している田近さんに、グリーンコーヒーにかける思いを伺った。
目次
「健康を日常に」グリーンコーヒーが持つ可能性
グリーンコーヒーとは、焙煎する前の生豆を使ったコーヒーのことを指す。通常のコーヒーは焙煎の過程で多くの栄養素が失われるが、グリーンコーヒーは抗酸化成分であるクロロゲン酸を豊富に含んでいる。これは血糖値の安定や血圧の調整、さらには肝機能の向上にも寄与するという研究結果がある。
「健康に気を使うことは大切だけど、手軽でないと続かない。なら、日常的に飲むコーヒーを健康的なものに変えればいい」。こう考えた田近さんは、“おいしく、手軽に飲めるグリーンコーヒー”を開発することに決めた。しかし、当初は「コーヒーらしくない」「薄い」といった厳しい声も多かった。それでも、諦めることなく開発、試飲を重ねる中で「これなら飲める」「砂糖を入れなくても甘みが感じられる」という声が増えていき、勝機を見出すことが出来たと言う。

コーヒーを変えれば、社会が変わる。1杯のコーヒーから健康を考えるきっかけにしたい
田近さんの目指す未来は、単にグリーンコーヒーを売ることではない。「1杯のコーヒーから健康を考えるきっかけを作ること」だ。健康の専門家ではないからこそ、いかに日常に健康を溶け込ませるか、それを考え続けている。
「コンビニのコーヒーマシンに『グリーンコーヒー』のボタンができたら、日本人の健康は大きく変わるはず」
すでに、田近さんのグリーンコーヒーは濃いファンを獲得しており、徐々に市場を広げている。単なるビジネス拡大ではない。「グリーンコーヒーの普及によって、健康的なライフスタイルを当たり前にしたい」という強い思いがあるからこそ、田近さんのグリーンコーヒーが選ばれている。
健康意識が高い人だけじゃない、もっと健康を多くの人の日常へ
田近さんが現在、最も注力しているのは「健康習慣の文化を作ること」だと言う。理想は、グリーンコーヒーが単なる健康食品ではなく、“日常の中で自然と選ばれるもの”になること。
この考え方は、田近さんが長年にわたり食品業界で培ってきたマーケティング戦略にも通じる。人々は必ずしも健康志向ではない。しかし、選択肢の中に「健康的でおいしい」ものがあれば、それが自然と選ばれるようになる。
「健康志向が高まる今、企業の側も消費者の期待に応えようとしている。そこにグリーンコーヒーの価値がある」
今は、相手先のブランドで販売してもらうOEM供給にも力を入れ、多くのブランドと協力しながら市場を拡大している。日本全国のコンビニで気軽に飲めるようになれば、健康を意識するハードルは一気に下がるだろう。

健康は義務ではなく、選択肢の一つ。無理に続けるものではない
田近さんの挑戦は、ビジネスの枠を超えた「社会変革」の一環とも言える。彼が目指すのは、健康に対する意識の変化を促し、より多くの人々が無理なく健康的な選択ができる社会の実現だ。
「健康は義務ではなく、選択肢のひとつ。無理に続けるものではなく、自然と取り入れられるものが理想」
この信念を持ち、田近さんは「グリーンコーヒー」という新たな市場を開拓し続けている。社会が変わるには、一人ひとりの意識が変わることが必要だ。彼の挑戦は、その小さな変化を積み重ね、やがて大きな変革を起こすだろう。そんな田近さんの挑戦をこれからも追い続け、応援していきたい。