
春の蔵王は、青空の下に“もふもふ”と“ちびもふ”が走り回る――キツネ村でしか味わえない風景である。
宮城県白石市に位置する「宮城蔵王キツネ村」は、100匹以上のキツネが自然に近い環境で自由に暮らす、国内唯一のキツネ専門の動物園である。近年はSNSを通じてその存在が世界中に拡散され、一気に話題の観光地となった。2024年には宮城県のインバウンド観光地ランキングで第一位を獲得。InstagramやTikTokで「#蔵王キツネ村」のハッシュタグは数万件を超え、もふもふのキツネたちの写真や動画が次々と投稿されている。
目次
春は“ちびもふ”に会える季節
蔵王キツネ村は四季折々で異なる魅力を楽しめるが、特に春は“赤ちゃんキツネ”が主役である。4月から5月にかけて誕生する子ギツネたちは、まるでぬいぐるみのように愛らしく、訪れる人々を魅了している。
キツネの赤ちゃん抱っこ体験も実施されており、ふわふわの毛並みとつぶらな瞳に触れることができる。「蔵王キツネ村公式youtubeチャンネル」では、子ギツネたちの最新情報が随時アップされているのでチェックしたい。

季節ごとのキツネたちの魅力
春は“ちびもふ”に大注目のキツネ村。ここで季節ごとに姿を変えるキツネたちの見どころをおさえておこう。
夏:毛替わりでスマートに
夏になるとキツネたちは冬毛から夏毛に生え変わり、すっきりとした姿になる。もふもふの印象から一転、野生的で凛とした姿はまた別の魅力だ。
秋:紅葉とキツネのコラボレーション
秋は紅葉が色づき、キツネたちがその中でくつろぐ様子が楽しめる。オレンジや赤に染まる景色の中、ふわふわのキツネが動き回る姿はまさに“絵になる光景”である。
冬:もふもふの冬毛と雪のコントラスト
冬はキツネたちが再びもふもふの毛に包まれ、雪の中でふんわりとしたシルエットになる。雪景色の中での撮影は、まるで絵本の1ページのような美しさだ。

観光客が増え、SNSで話題が広がる一方で、マナーを守らない行動も目立っている
キツネたちは野生の本能を持った動物であり、安全に楽しむためには、ルールを守ることが欠かせない。近年、キツネ村では無断でキツネに触ろうとする、エサを指定場所以外で与えるなどのマナー違反が増加している。これは訪問者自身の安全を損なうだけでなく、キツネたちのストレスや健康にも悪影響を及ぼす可能性がある。
来訪者は、訪れる前に公式サイトで案内されている入場ルールをよく確認し、マナーを守って楽しんでほしい。
<入場時の注意点>
Ⅰ.入口付近は立ち止まらないこと
Ⅱ.キツネに勝手に触らないこと
Ⅲ.通路以外は立ち入り禁止
Ⅳ.キツネのエサやりは、専用エサ場で専用のエサを使用すること
Ⅴ.落とし物に注意すること
Ⅵ.キツネにエサを持っていると勘違いされないよう注意すること
Ⅶ.場内の座り込みは禁止
これらは、訪れる人とキツネたちの安全を守るためのルールである。特に、キツネは好奇心が強く、エサと勘違いして荷物に近づくこともあるため、十分な注意が必要だ。

宮城蔵王の自然も満喫。御釜の雪解け風景も圧巻
宮城蔵王には「蔵王御釜(ざおうおかま)」があり、春の雪解け時期にはエメラルドグリーンの火口湖と残雪のコントラストが楽しめる。道路が凍結している冬季以外はドライブで立ち寄れるため、キツネ村と合わせた観光ルートとしても最適である。
キツネ村は日帰りでも楽しめるが、せっかくなら周辺のレストラン・宿泊施設も活用し、ゆったりと過ごしたい。蔵王エリアには「遠刈田(とおがった)温泉」などの温泉地が点在しており、旅の疲れを癒すのに最適である。
春の蔵王観光は、自然の美しさと動物たちの温もりを同時に味わう、心をほぐす旅になるだろう。




※写真は全て筆者が望遠レンズで撮影(2025.05.10)
情報
宮城蔵王キツネ村
所在地:宮城県白石市福岡八宮字川原子11-3
アクセス:JR白石蔵王駅から車で約20分
営業時間
夏季:9:00〜16:30(最終入場16:00)
冬季:9:00〜16:00(最終入場15:30)
定休日:水曜日
入場料:大人1,500円、小学生以下無料
公式サイト:http://zao-fox-village.com/