熊野三社からの名取勧請900余年を迎えた「名取老女」を紙芝居で伝える研究会に密着取材!【宮城県仙台市】

2 min 99 views
ギャラリーチフリグリの入る駄菓子屋さん「よしぎん」にて

去る2024年5月3~6日の4日間、宮城野原駅の近くにあるアートギャラリー「ギャラリーチフリグリ」(仙台市宮城野区)にて名取老女の紙芝居の原画展が開催された。

名取老女とは、紀州・和歌山の熊野三山を毎年詣で、東北に熊野信仰を根付かせたとされる巫女のこと。900年前の1123年に、老女が和歌山県の熊野三社(本宮、新宮、那智)から名取市に歓請(かんじょう)し、名取市の熊野三社建立に至った経緯があり、900年を記念して関連の催しが開かれた。

紙芝居のイラストはギャラリーチフリグリオーナーの、いのうえ佳代子さんの長兄で「よしぎん」の駄菓子屋を経営する斎藤潤さんの手描きによるものである。また、同じ建物でいのうえさんの次兄も古布屋「よしぎの」を経営しており、兄妹3人がシェアする場所だ。

ギャラリーチフリグリのオーナーのいのうえ佳代子さん(ギャラリーにて)
紙芝居原画展はストーリーの順序通り展示されていた
順序通り撮影

今回は、歴史本「旅する巫女 名取老女」出版記念イベントの一環として名取老女研究会がギャラリーを貸し切って企画展を開いた。スペースは2023年に開催された全国都市緑化フェア仙台「未来の杜せんだい2023」の庭園を手掛けた株式会社ザ・利光組(仙台市泉区)のデザインのもとで企画展が繰り広げられた。

名取老女グッズも盛り沢山
さらに、「名取老女音頭」も…。

その初日に名取老女研究会による歴史話と紙芝居によるトークイベントがあり、主宰の虹乃美稀子さんと中塩純子さんが登壇された。

まず、名取老女に関する歴史話で盛り上がりながら話が繰り広げられた。

歴史話を繰り広げた虹乃さん(右側)と中塩さん

祖父から名取老女に関する本を読むよう伝えられたのがきっかけで虹乃さんは関心をもつようになったそうだ。そして、歴史やその伝説に関心を示す中塩さんとの出会いで研究会を立ち上げるまでに至った。でも、歴史は謎だらけで今回の話も含めていろいろな説があるから面白いと筆者は感じた。

そして、紙芝居が開演!
筆者は紙芝居を直接自分の目で見ることができた。動画でも公開されているのでよろしければそちらもご覧いただきたい。

名取老女紙芝居開演!ついに対面することができた

動画サイト 紙芝居『名取老女ものがたり』 (youtube.com)

今の時代に紙芝居で昔の歴史を楽しむことは貴重なものであり、動画にはない楽しみがあると思った。今回はイラストや研究からのつながりで企画展に至ったものである。

「900年を過ぎた現在も紙芝居などを通じて名取老女の魅力を楽しんでほしい」と虹乃さんは話した。さらに、虹乃さんは「名取老女音頭」も手掛けて盛り上げようとしている。今後はどのように展開されるのだろうか。乞うご期待である。

名取市下余田にある「名取老女の墓」(1本の樹木が目印)
「名取老女の墓」の道標(名取市下余田)

※全て2024年5月3日に筆者が撮影。

渡邉貴裕

渡邉貴裕

宮城県仙台市

第3期ハツレポーター

宮城県生まれ。現在も宮城県仙台市に住んでいる根っからの宮城県民です。趣味は旅行と読書ですが、最近では仙台の街が好きでまち歩きも楽しんでいます。主に仙台を中心とした魅力を発信します。時には市外となる場合もありますので、何卒よろしくお願いします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です