「杜の都」仙台を堪能するならここに行かなきゃもったいない。閑人が独断で選ぶ散歩スポット【宮城県仙台市】

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「独眼竜」伊達政宗が開いた城下町、仙台。現在の仙台市は人口約109万人と東北地方最大で、唯一の政令指定都市でもある。宮城県の中央部を奥羽(おうう)山脈から太平洋まで貫く市域は自然が豊かで、街路樹も多く「杜の都(もりのみやこ)」として知られている。

東京から東北新幹線で最速1時間30分というアクセスの良さもあり、年間を通して多くの観光客で賑わっている。しかし、仙台城(青葉城)跡を見学して牛タンとずんだ餅を味わった後は、「日本三景」松島や「陸奥国一宮(むつのくにいちのみや)」塩釜(しおがま)神社などに向かう人がほとんど。残念ながら「杜の都」の魅力を堪能しているとは言い難く、本当にもったいない。

そこで、暇にまかせてカメラ片手に仙台市内を歩き回っている筆者が、とっておきの散歩スポットをいくつか紹介したい。

仙台散歩スポット「広瀬川」

さとう宗幸の『青葉城恋歌』にも詠まれている広瀬川(ひろせがわ)は山形県境に近い関山峠(せきやまとうげ)を水源とし、仙台市中心部の西縁から南縁を経て名取川と合流、太平洋に注ぐ。市街地周辺の中流域では蛇行を繰り返し、両岸の河岸段丘や自然崖、早瀬、淵など変化に富んだ景観を作り出している。

都市部を流れる河川でありながらカジカガエルやカワセミ、ヤマセミが生息し、アユやサケが泳ぐ清流で、環境省の「名水百選」にも選定されている。河畔の遊歩道は終日、散策を楽しむ市民の姿が絶えない。JR仙台駅からもさほど遠くはなく、四季折々の自然に親しめる格好のエリアとなっている。

太白区向山(たいはくくむかいやま)から見下ろす広瀬川はゆるやかに流れ、河岸段丘に市街地が広がる。奥に見えるのは伊達政宗の霊廟「瑞鳳殿(ずいほうでん)」に通じる霊屋橋(おたまやばし)。

昏れなずむ仙台の街並み。ビル街の灯りが広瀬川に揺らめいて映り込む。

夕映えの空と川面の狭間で大橋が浮かび上がる。大橋は仙台城と城下町を結ぶ橋として架けられた。

広瀬川の対岸から仙台城跡の伊達政宗騎馬像を望む。兜(かぶと)に付けられた弦月(げんげつ)の前立(まえだて)と同じ三日月が夜空に浮かんでいた。

仙台七夕まつりの前夜に開催される七夕花火祭。次々と打ち上げられる大輪の花火が水面を染める。

河原で家族や友人と鍋を囲む芋煮会は秋の風物詩。特に青葉区の牛越橋(うしごえばし)の周辺は大学生のグループなどが集中する。仙台の芋煮は味噌味で豚肉、里芋、大根、にんじん、キノコ、コンニャクと具だくさんなのが特長。

東北大学片平キャンパスに近い青葉区米ヶ袋(こめがふくろ)では、運が良ければポニーのポーちゃんに会えるかも。近所の家で飼育されており、地元では知る人ぞ知る人気馬だ。いつも河原の野草をモリモリ食べている。

越冬のために広瀬川にやってくる渡り鳥も多い。柔らかな冬の陽光を浴びて白鳥の家族が羽を休めていた。

佐瀬雅行

佐瀬雅行

宮城県仙台市

第7期ハツレポーター

仙台市在住。地方紙の写真記者として東北各地を取材する。2014年に独立、東北地方の風土などをテーマに撮影を続けている。公益社団法人日本写真家協会(JPS)会員

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