能登の現状を知ってほしい! フィットネスで被災地を支援する名古屋のインストラクター【石川県穴水町】

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甚大な被害をもたらした2024年元日の能登半島地震からこの1月で丸2年、現地はまだまだ完全な復興からは遠い状態です。そんな能登の人々を、フィットネスで支援している名古屋のインストラクターの女性にお会いし、現地の様子をお聞きしました。

名古屋のフィットネスインストラクター、杉下あやさん

杉下あやさんは名古屋を拠点にさまざまな活動をされている、キャリア20年以上のフィットネスインストラクターです。HOMEMADE家族、AK-69、Ms.OOJA、MINMIなどの有名アーティストのバックダンサーを経て、現在はヨガやストレッチ運動のインストラクターをされています。またインストラクターの養成、女性支援、コミュニティ形成、地域イベント開催といった活動もされています。小学生の女の子のお母さんでもあります。

私は杉下さんが名古屋市で開催しているマルシェ「フラミンゴマーケット」の記事を別媒体でいつも書かせていただいているのですが、最近杉下さんがフィットネスを通じて能登の被災地の支援をされていることを知りました。震災から2年を過ぎ、メディアが能登の被災地についてのニュースを伝えることも少なくなってきていますが、杉下さんは実際に現地に行ってみて、まだまだ復興できていない現実を社会に伝えなければならないと思ったそうです。

杉下さんが能登に行ったきっかけは、一般社団法人「aichikara(以下アイチカラ)」の代表であるご友人から、イベントに誘われたことだそうです。アイチカラは東日本大震災を機に作られた復興支援団体で、特に若い方が多く所属しボランティア活動をしているそうです。

アイチカラが開催した石川県穴水町でのイベントに、杉下さんはゲスト講師として参加しました。

石川県穴水町での復興秋まつりイベントに参加

地図画像:筆者作成

石川県鳳珠郡穴水町は能登半島の中央に位置する、人口約7千人の町です。古くから交通の要所で、のと鉄道七尾線の終着駅、穴水駅があり、能登空港から車で15分の奥能登の玄関口です。カキなどの海産物や農産物、ワインといったおいしいもの(まいもん)に恵まれているため、「まいもんの里」として知られています。

杉下さん提供

杉下さんは2025年11月8日に穴水小学校で開催された「復興! ハツラツ からだ祭り in 穴水」という秋祭りイベントのゲスト講師として、初めて穴水町を訪れました。このイベントはアイチカラと、まるおかクリニックなど地元の複数の団体が開いたもので、元ラグビー日本代表の畠山健介さんもゲストとして参加しました。

杉下さん提供

畠山さんは子ども向けのラグビー体験の講師として、杉下さんは「楽体(ラクダ)」というフィットネスゴムを使った、体と心を整える高齢者の方向けのエクササイズの講師として参加しました。また名古屋でアメリカンバーベキューのキッチンカーを営業している「Troy’s American BBQ」による、ホットドッグやドリンクの無料提供もありました。当日は老若男女たくさんの地元の方が集まったそうです。

フィットネスゴム「楽体(ラクダ)」

支援のために杉下さんが事前にSNSで呼びかけたところ、99,000円の寄付金が集まり、22本の楽体を現地に寄付することができたそうです。

杉下さん提供

杉下さんのレッスンには、60~90代の方が参加されました。杉下さんが考案した、楽体を使って姿勢を改善する「SHISEIクラス®」のプログラムを体験!

杉下さん提供

当日は92歳の方も参加されたそうです。「午前は見学だけのつもりだったけど、やっぱりやってみたくて」と午後に戻ってきてくださり、とてもうれしそうに身体を動かされていたそうです。

被災者の方へのメンタル面のケアも重要です。体が軽くなると、心も軽くなります。ある女性に「久しぶりに笑った」と言われ、杉下さんはその言葉が忘れられないそうです。運動は娯楽ではなく、復興の中で“心の支えになるケア”だと強く感じたそうです。

なお「SHISEIクラス®」はオンラインでもレッスンを受けることができるので、いつでも体を動かして心晴れやかに!

穴水の町で見た地震の傷跡

杉下さん提供

実際に穴水町を歩いてみて、杉下さんは崩壊したままの場所がまだたくさんあることにショックを受けたそうです。被災地についてのテレビ報道が減っているので「もう落ち着いたのでは?」と思いがちですが、厳しい現実を目の当たりにしたそうです。

杉下さん提供

杉下さんが現地の方に話を聞くと、町にはひび割れてガタガタになった歩道が多数あり、特に夜は歩くのが危険で困っているとのことでした。穴水町はご高齢の方が多いので、転倒の恐れがあります。

穴水町のサイトにある復旧状況を見ると、道路の復旧は未完成の赤い部分が目立ちます。

また支援や復興イベントは被害がよりひどかった地域に集中し、穴水町は後回しにされがちで支援が十分ではないため困っているそうです。

穴水大宮(杉下さん提供)

杉下さんが一番ショックを受けたのは、古くから穴水町を守る神社「穴水大宮」の鳥居が完全に倒壊していたことだそうです。上の写真の手前部分に以前は鳥居がありました。

杉下さん提供

倒壊した鳥居です。鳥居以外にも手水(ちょうず)舎、由緒碑、玉垣なども被害を受けたそうです。穴水大宮の再建費用を募るクラウドファンディングも行われました。

穴水駅(杉下さん提供)

穴水駅もまだ地震の傷跡が残っています。駅舎の破損個所も直っていなかったそうです。

杉下さん提供

石川県は、能登半島地震の被災地の公的解体は令和7年12月末で全ての解体が完了したと発表しています。杉下さんも穴水町でたくさんの更地を目にしたそうです。穴水町における公費解体の実施棟数は、全部で2,742棟(住家757棟、非住家1,985棟)だったそうです。人口7千人の町でこの数はかなりのものです。

ライフラインの復旧はすでに完了していますが、やっと解体が終わったところですので完全な復興にはまだまだ時間がかかりそうです。

杉下さん提供

能登半島はもともと過疎化・高齢化している地域であった上に、地震の被害による人口流出もあり、復興のための人手が足りない面もあるようです。また主要産業である観光業が打撃を受けたこと、円安による建築資材の高騰も影響しているようです。半島なので一方向からしか行けず、道路が崩壊して通行止めのところも多いので、工事用のトラックが走行しにくいという事情もあるでしょう。

しかし、国土交通省が2025年12月26日に発表した資料「【令和6年能登半島地震から2年】の復旧・復興状況と今後の見通し~被災者の方々の暮らしとなりわいの再生に向けて~」を見ると、基本的な復旧は概ね完了し、本格的な復興に向けて動き出しているのがうかがえます。

被害がひどかった和倉温泉の被災温泉旅館20軒のうち、9軒が2025年12月15日までに営業を再開しているそうです。

いま、私たちにできることは?

杉下さん提供

では、被災地以外に住む、私たちにどんなことができるでしょうか? 復興の手助けができるのは、能登に行ったりできる人だけではありません。

能登半島地震を風化させない

日本は世界でも有数の自然災害の多い国です。いつ自分が被災者になってもおかしくありません。普段から能登のニュースに気を留めていれば、自然と災害への関心も高くなるでしょう。信頼できるソースから得た能登の復興状況について、SNSで投稿するのもいいかもしれません。被災地のことを忘れないでいるのは、日常生活の中でもできる支援です。

能登産のもので応援消費をしよう

美味しいものをお取り寄せするなら、能登のものをネットショップで買ってみるのもいいですね。石川県にふるさと納税をするのも手軽にできる応援です。

また、あなたの街で開催される能登の物産展や、石川県のアンテナショップ、復興イベントなどに行ってみるのも地元でできる支援です。ワイン好きの方は穴水町の能登ワインをお取り寄せしてみては?

能登のために、石川のために 応援消費おねがいプロジェクト(石川県公式サイト)https://www.pref.ishikawa.lg.jp/saigai/202401jishin-ouen.html

能登ワイン(穴水町) 
https://notowine.com/

能登に旅行しよう

地震の傷跡が残っているものの、観光できるところも多数! ボランティアはハードルが高くても、旅行で行ってみるのも立派な支援です。能登は海産物の宝庫ですし、穴水町では美味しいカキが食べられます。

特別イベント 穴水町商店街~復興にぎわいかきまつり~ https://www.anamizu-kankou.jp/kakimaturi/
2026年2月28日(土)・3月1日(日)、穴水町商店街にカキの炭火焼コーナーが登場! 穴水町の山の幸、海の幸をとりそろえた「まいもん市」も出店します。新鮮なカキをお腹いっぱい食べよう! またこの日程以外でも町内には採れたてのカキが食べられるお店が多数あります。

今行ける能登(石川県観光公式サイト) https://www.hot-ishikawa.jp/notofukko/

義援金、ボランティア

もっと能登を応援したい! という方は義援金を寄付したり、実際にボランティアに行ってみては。なおボランティアは事前の登録や調整なしに行くと受け入れが困難な場合があるため、必ず公式サイトで申し込みをしてから参加してください。

令和6年(2024年)能登半島地震に係る災害義援金の受付について(石川県公式サイト)https://www.pref.ishikawa.lg.jp/suitou/gienkinr0601.html

令和6年能登半島地震・令和6年奥能登豪雨 石川県災害ボランティア情報
https://prefvc-ishikawa.jimdofree.com/

無理をせず、自分にできることから能登を応援してみませんか?

情報

心と体をHAPPYにしてくれる杉下あやさんの関連サイトです。

AYA SUGISHITA オフィシャルサイト:https://honeywaxxaya.com/
オンラインSHISEIクラス®:https://osc.hp.peraichi.com/
杉下あや 公式Instagram:https://www.instagram.com/honeywaxxaya/
杉下あや 公式YouTube:youtube.com/@ayasugishitaVLOG?reload=9
一般社団法人aichikara:https://www.step-aichikara.com/
穴水町公式サイト:https://www.town.anamizu.lg.jp/
穴水町観光ポータルサイト :https://www.town.anamizu.lg.jp/site/kankou/

資料

石川県:公費解体の進捗状況(令和7年12月末)https://www.pref.ishikawa.lg.jp/haitai/documents/r80115_kouhikaitai_shinchoku.pdf
出典:石川県ホームページ

穴水町:被災家屋等の解体・撤去について(公費解体)
https://www.town.anamizu.lg.jp/site/r6notohantojishin/100656.html
穴水町:施設等の被害・復旧状況について
https://www.town.anamizu.lg.jp/page/104770.html
穴水町:道路の復旧状況
https://www.town.anamizu.lg.jp/uploaded/attachment/105077.pdf
出典:穴水町ホームページ

【令和6年能登半島地震から2年】の復旧・復興状況と今後の見通し~被災者の方々の暮らしとなりわいの再生に向けて~
https://www.mlit.go.jp/report/press/sogo01_hh_000068.html
出典:国土交通省ホームページ

うえだ あさこ

うえだ あさこ

東京で生まれ育ち、名古屋に住んで20年以上になるフリーライターです。電動自転車に乗り、趣味の写真撮影を活かして取材先を回っています。音楽とアートと建築とお笑いが好きです。

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