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「歴史を伝え 未来をつくる お宮町」をスローガンに掲げ、『住みたい町』として若者に選ばれるお宮町になるよう活動を行っている「お宮町」まちづくり協議会。協議会では、まち歩きを利用したまちづくりの連続講座として「お宮町まち歩きプロジェクト」を実施している。
2025年2月8日、5回目の「お宮町まち歩きプロジェクト」として福沢市民センターを拠点に「地形から読み解くまちの魅力」を演題とした講座(座学)及びまち歩きが催され、参加した。「お宮町まち歩きプロジェクト」は、2024年度から3年間の計画で実施し、将来的にはまち歩きのツアー化を目指すらしい。 今回は、東京の谷の観察と記録を目的に設立された「東京スリバチ学会」会長の皆川典久(みながわ・のりひさ)さんが講師となり、午前は講座、午後はまち歩きでプログラムが繰り広げられた。
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講座では、東京や仙台の他にも全国の地形も紹介し、仙台市街は河岸段丘(上町・中町・下町など)で成り立っているとのことだった。
また、高低差のある地形についてや、「スリバチ学会」と名付けた由来などもお話しされた。由来として皆川さんは「東京都にある薬研(やげん)坂を見て思いついて名付けて2003年に設立した」というエピソードを語った。
皆川さんは、某建設会社の設計業務をしながら地形を探っており、「ブラタモリ」にも出演し、地形マニアブームの先駆けとなった。そして、2012~17年まで仙台市に「せんだいスクールオブデザイン」の関係で赴任し、帰京。2017年4月に「宮城スリバチ学会」を設立。また、株式会社たびむすび(仙台市・稲葉雅子社長)主催のまち歩きツアーの案内人を、2015年から行っている。
地形と併せて古地図から学ぶ歴史の魅力についてもお話をされ、「仙台にはこんなにも歴史的財産があったのか?」と、筆者は感じた。
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午後は、まち歩きで宮町~東照宮~小松島~高松の順にたどり、福沢市民センターで解散。長引く寒波で凍った道もあって足元が悪い中だったが、好天に恵まれながらまち歩きが行われた。まち歩きと言うよりは坂道が多かったため「谷歩き」と言ってもいいぐらいの地形を歩いた。主に空堀(水の無いお堀)や、地下に埋設した水路である暗渠(あんきょ)のある細い路地や坂道などを歩くものだった。
さらに、仙岳院や萬寿寺などの寺院も巡り、歴史を切り口に、まち歩きやグッズ制作などを行っているグラフィックデザイナーの厚綿広至(あつわた・ひろし)さんから寺院の歴史についてのお話も聞いた。
本当に歴史と地形で学ぶ仙台の魅力を再発見できた1日だった。
※2025年2月8日、すべて筆者撮影。