「もういくつ寝ると小正月~♪」ということとで、あっといいう間に正月が過ぎ、小正月が目の前に近づいてきております。
今回は、日本全国津々浦々(西日本多め)の皆さまに、オモシロお正月行事について教えてもらいました。自分にとってはあたりまえでも、他の人、他の地域の人にとってはビックリな、オモシロ行事なんてことも!?
かく言う筆者も、関西から九州に嫁ぎ、お雑煮、しめ縄、初詣、など何から何まで違ったという経験があります。さてさて、どんなお正月行事を、皆さまにご紹介することができるのでしょうか?
「一月往ぬる二月逃げる三月去る」といいますが、皆さまにお正月のころを思い出していただき、ほっこりしたぬくもりをお届けできますように。
目次
丸餅vs角餅は天下分け目の決戦【福岡県福岡市】
「親戚一同や近所の方を含めて、お餅つきをします!福岡なので、丸餅に仕上げますよー!」
A.F.さん(福岡県福岡市南区)
つきたての餅を手のひらサイズにちぎる、ちぎり手は女性の年長者という場合が多いのではないでしょうか?手が真っ赤になりながら餅をもくもくとちぎるという動作は、何とも言えないかっこよさがあります。筆者もいつかは自分もちぎり手になりたいと憧れを抱きながら、丸め役は餅をきれいに丸めてたもんです。
農林水産省HPより引用https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2001/spe2_02.html
さてさて、ここで注目はA.F.さんは「福岡なので丸餅」とのこと。東は角餅、西だと丸餅ときいたことがありますが、実際のところはどうでしょうか?
農林水産省HPによると
・丸餅と角餅の境目は岐阜県の関ケ原あたり
・ちょうど境界線上にある、岐阜、石川、福井、三重、和歌山の5県では、角・丸2 種類とも使われているところもある
ということです。
天下の分け目と丸餅と角餅の境界線がほぼ一緒だなんて、不思議ですね。北海道は白になっていますが、どちらなのでしょうか?情報をお持ちの方、「ローカリティ!」までお寄せくださいませ。ひし形?楕円?まさかの三角だったりして…
あまじょっぱ?餡もちお雑煮とは?【香川県坂出市】
東京暮らしだと自分で作る以外に餡もちを手に入れる方法があまりないので実家から毎年送ってもらってます(R.Y.さん)
一般的に餅の入った汁物が雑煮と呼ばれ、主に正月などハレの日に食べられるお雑煮。「お雑煮にあんこなんて考えられない」と驚きを隠せないのは、筆者だけではないはず。他の地域の人は信じられないかもしれませんが、香川県民にとっては当たり前の「白味噌あん餅雑煮」なのです。
いりこのだし汁であん餅を煮て、白味噌で仕立てます。あん餅から小豆あんが溶け出すのがたまらないんだとか。情報を提供してくれたR.Yさんからは「香川県民は雑煮も語らせたら長いので注意してください」と。
うどん県として知られる香川県ですが、雑煮にも強いこだわりがあったのですね。
農林水産省HPより引用https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2001/spe2_03.html
農林水産省HPの雑煮文化圏マップによると、すまし汁文化圏が圧倒的に多いですが、次いで関西と四国の一部は味噌仕立て文化圏のようです。一部、山陰地方の日本海側では小豆汁文化圏もありますね。おしるこ風味なのか、はたして別物なのか。こちらも情報をお持ちの方は「ローカリティ!」へご一報ください。
参考)聞いて驚く!食べてもっと驚く!! さぬきのお正月「あん餅雑煮」【香川県坂出市】
小屋ごとお焚き上げ、酉小屋【福島県いわき市】
一般的に「どんど焼き」と呼ばれる、お正月飾りや古いお守りやお札を持ち寄ってお焚き上げをする行事のことをいわき市では「酉小屋」といいます。(一部は周辺町村でも実施)
積み上げた藁にお正月飾りを次々と重ねていって燃やすどんど焼きに対し、酉小屋はまさに「小屋」のような構造になっていて、神棚や囲炉裏もあり出入りができるようになっています。最終的には小屋ごと燃やしてしまいます。
いわき市は東京23区の約2倍の面積を持つ市だが、震災や水害被害等の影響で形態を変えたり、やめた地域も多い。実際に内郷(うちごう)地区で田んぼの上に今年作った「酉小屋」は約3畳ほどの広さで中に囲炉裏があり、温かい甘酒が飲めるようになっていた。(A.K.さん)
秋田にはこんな小正月行事も!
関係人口募集!上桧木内(かみひのきない)の紙風船上げ。紙風船を一緒に作ってみませんか?【秋田県仙北市】
栃木では田んぼでどんど焼きが!
27年ぶりに火祭りの行事「どんど焼き」が復活!!【栃木県栃木市】
神職が家にやってくる宅神祭 Shin Syoku(神職) is coming to Home~♪ 【長崎県壱岐市】
クリスマスにはSanta Claus is coming to town~♪と歌い、サンタが街にやってきますが、正月には神職が家にやってくる「宅神祭(たくじんさい)」という行事が長崎県壱岐市にはあります。
古くから神社や寺院が多く存在するため、神々の島といわれることもある壱岐島。
地元住民にとって、神社や寺院は重要な信仰の対象となっており、神社や神事、つまり神さんごと(神様にまつわる様々な行事)が生活に密着しています。
お正月には「宅神祭」といわれる行事があります。各家庭の神棚やじのかみさん(土地の神様)に神職が出向き、この一年間の家内安全御礼の祝詞(のりと)を奏上(そうじょう)し、お祓(はら)いをします。
うちは1月2日の一番最後。宮司さんは、晩ご飯も食べて帰るというところまでセットになっている。(Y.T.さん)
「あなたの地域のオモシロお正月行事」は以上となります。今回ご紹介できなかったオモシロお正月行事が、あなたの地域、おうちにあることでしょう。あなたの地域、あなたの家に受け継がれた伝統行事を「ローカリティ!」にお寄せください。それぞれのオモシロをみいだし、今後も大切にしていきたいと切に願います。