
スーパーでは出会えない味と人情がここにある
仙台市の中心部に位置する「仙台朝市」で、今年も恒例のフォトコンテストが始まった。全国にその魅力を発信すべく2020年にスタートしたこの企画は、今年で5回目。年々注目度が高まりを見せる中、2025年も「私の推し」をテーマに開催されている。
「仙台朝市銀座UNフォトコン2025」は、仙台駅から徒歩わずか5分というアクセス抜群のエリア、すなわち仙台朝市商店街・仙台銀座商店街・アーバンネット仙台中央ビルの3つの区域を対象に展開されている。投稿された写真は、旬の食材、人々の営み、路地裏の風景、レトロな店構えなど、さまざまな“推し”が写し出されることだろう。

フォトコンテストの参加はInstagram上で行われ、ハッシュタグを付けて投稿することで応募完了となる。応募作品は期間中であれば何点でも投稿可能で、結果は5月下旬に発表される予定だ。最優秀賞や各エリア賞には、仙台朝市商店街の詰め合わせセットや銀座商店街で使える商品券などが副賞として贈られる。
仙台朝市とその周辺エリアには、まさに“フォトジェニック”な素材があふれている。朝市では、新鮮な野菜、三陸直送の魚介、地場の総菜などが所狭しと並び、観光客だけでなく地元の人々の台所としての役割も担っている。カキやホヤ、マグロなどの魚介類に加え、仙台白菜や仙台雪菜といった地域野菜も並び、四季折々の食が体験できる。
この朝市の歴史は古く、昭和20年(1945年)終戦後で生活物資が不足していた時代、青空市場が自然発生的に始まったことが起源と言われている。高層ビルが建ち並ぶ仙台駅西口エリアの片隅に、今も昔ながらの市場風景が残されていること自体が、全国的にも珍しい存在だ。

近年、この地域の活性化に大きな役割を果たしているのが、2020年に締結された「NTT東日本・仙台市・NTTアーバンソリューションズ」の連携協定だ。この枠組みにより、商店街周辺の道路補修や空間整備が進み、訪れる人々にとってもより魅力的なまちへと生まれ変わりつつある。フォトコンテストの対象エリアにアーバンネット仙台中央ビルが含まれているのも、この都市活性化の流れの中で地域全体を盛り上げようという意図がある。
今や“食と風景と人”が交差する朝市は、仙台の顔ともいえる場所だ。観光ガイドには「仙台の台所」とも表現され、地元グルメの宝庫であると同時に、人と人とのつながりが残るあたたかな空間でもある。



このフォトコンテストのビジョンは、対象区域全体にしっかりと根付いている。齋藤由布子さん(仙台朝市銀座UNフォトコン実行委員)は、「『フォトコンに応募するために撮影してもいいですか?』とひと声かけてもらえれば、朝市の方々は皆さん喜んで協力してくれます」と話す。地域全体が写真を通じた魅力発信に前向きに取り組んでいることが、このイベントの大きな特長となっている。
今年のフォトコンテストも、参加者一人ひとりの視点を歓迎している。思いがけない一枚が、見る人の心を温めるかもしれない。地元の人には日常の風景を再発見するきっかけに、観光客には旅の思い出を残す最高のチャンスになるだろう。
応募締切は5月12日(月)23:59まで。春の仙台を彩る朝市の“今”を、ぜひ写真に収めてみてはいかがだろうか。


※写真は全て筆者が撮影(2025.04.21)
情報
■ 仙台朝市公式ページ:https://sendaiasaichi.com/information
■仙台銀座商店街公式ページ:https://sendai-ginza.jimdofree.com/
■NTTアーバンネット仙台中央ビル公式ページ:https://www.nttud.co.jp/sendai_chuo/
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