栃木県栃木市にある「とちぎ花センター」で食虫植物をヒーローに見立てた企画展示が7月15日からはじまった。その名も「食虫戦隊タベンジャー」。5種類の食虫植物が戦隊ヒーローとして登場し、悪者である虫を退治するストーリー仕立ての展示である。今回の企画展示に携わるとちぎ花センター次長兼生産展示担当の稲葉英雄(いなば・ひでお)さんに今回の展示のねらいや反響について伺った。
食虫植物それぞれ特徴・特性を必殺技に!
食虫植物とともに展示がされているのは、漫画やイラストを用いたポップの数々。それぞれの食虫植物の特徴や特性をコミカルに表現している。5種類それぞれの食虫植物のヒーローが必殺技を持ち、悪い虫を退治していくストーリーだ。
例えば、ハエトリグサという食虫植物は、「ハエトリグサ クローザー」という名のヒーローとして登場。ハエトリグサはセンサーのようなものがついており、そのセンサーに虫が2回触れると閉じるという特性を持っている。その特性を「ハエトラップ・クローズ」という必殺技として紹介をしている。
ヒーロー×食虫植物という今までにないコラボで、植物になかなか興味を持たない小さな子どもでも分かりやすく楽しめるコンテンツとなっている。
「コワイ、キモイ」のイメージを変えたい、食虫植物をヒーローに
とちぎ花センターは今年で開業31周年をむかえる施設で、今回の食虫植物展もここ数年毎年行っているそうであるが、食虫植物をヒーローとして登場させる展示は初めて。今回の展示のねらいとしては、食虫植物に対する子どもたちのイメージを変えたいという思いからだったそう。
「食虫植物というと虫を食べてしまう怖いものというイメージを持つ方が多いと思いますが、逆に悪い虫を食べてしまうヒーローとすればもっと親しみを持ってくれるのではないかと思ったのがはじまりです」と今回の企画展示のきっかけを稲葉さんが話してくれた。
今回の企画展示の期間は7月15日~9月3日と子どもたちが夏休みの期間に実施しているため、子ども向けの展示となっている。
「子どもたちに楽しんでもらいたいので、漫画仕立てにしてみたり、イラストを使ったポップで飾り付けたりしています。当センターには絵が得意な職員がいるので、協力をしてもらいながら準備を進めてきました」と稲葉さん。
また、期間中は来場者にタベンジャーのホログラムシールを5種類の中から日替わりで1枚プレゼントしているそう。そのかいあって、「なにこれおもしろい!」と今まで植物に興味のなかった子どもたちも楽しんでくれているとのこと。「イメージを変えたい」そのねらいはまさに的中だったようだ。
とちぎ花センターは年に8回の企画展示を行う。「今後も多くの人が植物に興味を持ってもらえるような展示を行いたい」と稲葉さんは今後の企画展示について意気込んだ。