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暑い中、家先で煮詰める「ところてん」
ところてんは「天草」(テングサ)という海藻を煮詰めて作ります。夏の暑い時期に、窯焚きするので、作るのはとても大変です。しかし、夏の来客のおもてなしやお盆のお供えに、冷たくてのどごしの良い「ところてん」は欠かせません。出来上がったところてんは棒状にして、水の中で保存します。食べる前に天突きで、ニュルっと出します。
2,3年寝かしてからがちょうど良い「天草」
壱岐(いき)市内ではスーパーに乾燥させた天草が売っています。少しピンクや紫がかっているのですが、時間が経つとだんだん色が抜けて白っぽくなります。「スーパーで買ってきて2,3年ほど寝かすとちょうどいい」と義母は言います。
トゥルトゥルコリコリ、驚きの食感
手作りのところてんの食感は、トゥルトゥルでコリコリです。のどごしが最高です。ほんのり磯の香りがして、天草からできていることが実感できます。一度、手作りの突き立てのところてんを食べると、市販のものでは物足りなくなります。
暑い時期に窯炊きをするのは大変、しかも天草も手に入りにくくなってきて、手作りする人はすくなくなっているようです。義母は「手作りするのはこれで最後やけんね」と口癖のように言いながらも、毎年作り続けています。
*写真はすべて2023年8月 筆者撮影