〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜
全て手作業!和風照明が出来上がるまでの工程
「祖父が、戦後のイタリアや西ドイツをはじめとしたヨーロッパの照明器具に憧れ、そこからインスピレーションを受けてデザインをし、国内の職人に加工を依頼したことから事業が始まりました」と話してくださったのは、新洋電気株式会社 販売営業担当の新谷 鮎子(しんたに・あゆこ)さん。
創業から70年余。新洋電気株式会社さんは、創業時からオリジナルデザインの照明器具を国内で生産・販売しています。
「『和の灯り』シリーズは、母の実家が木工職人の家だったことがきっかけで、40年ほど前から作り始めました。和紙を使った光は柔らかく拡散し、心の深いところに届く明かりだと思っています」と新谷さん。
照明が出来上がるまでの工程は全て手作業で行われています。
まず、無垢材を「傾斜盤」と呼ばれる機械を使って各パーツに加工し、自動かんなで仕上げをしながら、パズルのような複雑な形のパーツを作り上げていきます。
削りだしたパーツを、一本一本手作業で、表面を調えながら照明の枠の形に組み上げ、シェードをつくります。組み上がったら、和紙を塩化ビニール樹脂で両面からラミネートしたワーロンという素材を貼っていきます。ワーロンとは、「熱に強い」「破れにくい」などの特長を備えた強化和紙のシートです。
こうしてシェードが完成。照明部品も一つずつ手作業で取付け、シェードのチェックや点灯試験を経て、商品の発送となります。一つの照明が出来上がるまで2〜3週間かかります。
新谷さんは、「先日、商品の修理のためにお越しいただいたお客様は、25年前に購入されていたんですよ。細かい部分にも、磁器のソケットや金属のカバーなど、耐久性の高い素材を使用しているので、安心して長く使ってもらえます」と教えてくれました。
またお手入れも、水に濡らした布などを固く絞って拭くことができるそう。汚れにも強い素材なので安心です。
「心に響くあかり、心を癒やす明かりの大事さ」を広めたい
東京都中野区には、「照明&エシカルライフスタイルショップ Lampada」の店舗と、すぐそばには「カフェ&フェアトレード LampadaⅡ」があります。
店舗では照明の実物を見ることができるほか、カフェでも照明の展示があるので、お茶をしながらじっくり光を体験するのもおすすめです。空間の照らし方や光の使い方、どんな雰囲気にしたいかなどを相談をすることもできます。
光の具合は目で見て感じるのが一番。お近くの方はぜひ足を運んでみてくださいね。
(杉本咲樹さん)