人材・SES事業で広げる“つながり”の輪。「定年後も第一線で」、数多の企業と一丸で叶えたい【北海道札幌市】

4 min 64 views

株式会社YNSトラスト 代表取締役

Yuji Ito
伊藤 勇二氏

さまざまな業界・職種に対応した、人材紹介事業とSES事業を行なう札幌の株式会社YNSトラスト。ふとした会話をきっかけに、48歳で会社を立ち上げた伊藤 勇二(いとう ゆうじ)さんは代表でありながら、現役で活躍しています。「『道州制』で北海道全体の活性化を成し遂げたい」とも力を込める伊藤さん。これまでのキャリアや事業内容、社員に対する思い、展望などについてお話を伺いました。

「定年後も第一線で活躍したい」人とのつながりやご縁がたくさんあった札幌で起業を決意

立ち上げまでのキャリアを教えてください。

大学卒業後は、金融系の会社に就職しました。数年在籍したのですが、自分にはもっと人と接する仕事の方が向いていると思い、転職を決めました。転職エージェントに営業職をやりたいと相談したところ、人材事業はどうかと提案され、2007年にITを含む技術系の人材をアウトソーシング化する会社に転職しました。
そこでは、CADオペレーターや電気回路設定職、SE、エンジニアなどの人材を必要とする企業の営業と採用業務を担当。それらに関わるマネジメント職に就いていました。
人と人、人と企業をつなげる仕事がやはり自分にはあっていると実感がありましたね。人と会う、話す、それがサポートにつながる、これは私の理想とする働き方で今でも変わっていません。

YNSトラストを設立したきっかけを教えてください。

2022年、48歳のある日、昔の同僚と食事していた時、「定年後は何しようか?」と話したことがあったんです。何気ない会話だったのですが、その時に定年後も今と変わらず現役で活躍していたいと強く思いました。 でも60歳を過ぎた自分が、若い会社員と同じような第一線の役割をさせてもらえるとは到底想像できません。それなら定年後も自分の思うように働くためには、起業するしかないと確信しました。

会社設立にあたって、なぜ札幌を選ばれたのでしょうか?

生まれは新潟県なのですが、新卒で入社した金融系の会社は転勤が多く、大阪や東京などを経て、2003〜2007年は旭川に住んでいました。そのあとの転職で札幌勤務となったんです。
いろいろなまちで過ごしてきましたが、札幌が一番好きになりました。いい出会いがたくさんあり、さまざまなご縁がつながりました。私の理想の働き方のキーワードは「人」ですから、起業するなら絶対に札幌だと決めていました。

社員が明るい気持ちで月曜日の朝を迎えられる会社を目指し、未経験者を積極採用するワケ

創業時はどのような会社づくりを目指していましたか?

信頼でつながる会社にしようと思いました。会社と会社、人と人などのつながりを一番大切にする。信頼し信頼してもらう。そんな会社にしたいという思いで、「信頼」という意味の「トラスト」を社名に込め、YNSトラストを立ち上げました。
ちなみに「YNS」の部分は「Your Needs Service(あなたのニーズに合わせたサービス)」の頭文字を取ったのもあるのですが、私の勇二という名前にも関係しているんです。母親が私の名前を呼ぶ時、東北なまりなので「ゆんず」と聞こえるんですね。偶然「Your Needs Service」と被ったので、それを使うのも面白いと思い社名に入れました。

現在の事業内容について具体的に教えてください。

IT開発の方は、電力会社の作業員が使う端末の開発、居酒屋のQRコード注文システム開発などです。現在はSES(システム・エンジニアリング・サービス)契約のエンジニアが4人おり、2人ずつのチーム体制でクライアント先に出向き、業務にあたっております。今後は自社製品も手がけていく予定です。
人材事業は私1人でやっています。転職の相談から始め、電気電子系やエンジニア系、営業系などの求職者に会社を紹介しています。
立ち上げ当初は人材事業のみで、IT系の事業はやらないつもりでしたが、人材事業の進めていくなかでIT経験者を集められない壁にぶつかりました。そこでIT関連の事業も自社で手がけることにしました。

御社スタッフには未経験も積極的に採用しているとお伺いしましたが、理由はあるのでしょうか?

最初は経験者を募集したのですが、なかなかいい人材が見つからなかったんです。そこで前職のあるエピソードを思い出したんです。未経験でプログラミングの仕事をしている女性社員がいました。最初は知識ゼロの何も分からないところからスタートした彼女でしたが、1年後「最初の作品を見ると恥ずかしくなる」と彼女が言ったのを聞いて、見違えるくらい成長したんだと思いました。人の成長を手助けすることも私がやりたかったことの一つだったと思い出したんです。
そこで即戦力ではなく、時間はかかっても新人社員を自分の手で育てることを楽しもうと切り替えました。30年くらい積み重ねてきた私の経験やノウハウ、知見をこれから活躍していく若い人たちに伝え、どんどん成長してもらいたい と考えていますので、未経験者も歓迎しています。
今いる社員たちにも、今後ジョインする後輩たちに対して、未経験者を育てる楽しみを共有してもらいたいですね。

御社の強みや仕事をするうえで大切にしていることを教えてください。

福利厚生の充実です。ベネフィットステーションに加入していますので、動画配信サービスのネットフリックスが無料で視聴できたり、Amazonギフト券や飲食店の優待特典などをもらえたり、サービスはさまざまです。仕事のスキルアップはもちろん大事ですが、日常生活にも幸せを感じてもらいたい。日常を充実させることは仕事の活躍にもつながると思っています。
ほかには、会社負担で退職金積立制度も実施しています。今後は健康管理面の福利厚生も充実させていく予定です。
社員たちが「今日も仕事を頑張ろう!」と明るい気持ちで月曜の朝を迎えられる会社にすることが私自身の目標です。

IT関連企業が一丸となって成し遂げる「道州制」を北海道のIT業界に採用したい

展望、将来のビジョンなどをお教えください。

自社開発事業ですね。SESの受託開発だけではなく、自社製品を開発して販売していきたいです。今は2人ずつのチームで対応していますが、今後は社員を増やして利益も組織も拡充させていくつもりです。
あと、創業当時に最初の社員に「代表の夢は何ですか?」と聞かれたことがありました。少し漠然としているのですが、多種多様なIT関連会社が一つになって大きなことを成し遂げてみたい、という壮大な夢があります。
過去に小泉元首相が日本を地域主権型社会に変え、地域から日本を元気にしていこうという「道州制」を提案したことがあります。その考え方はIT業界にも生かせるのではないかと当時から思っていました。システムエンジニア、プログラマー、ITコンサルタント、Webデザイナーなど、あらゆる職種の企業が集まって、何か大きな事業やイベントなど何でもいいから同じ目的を持ってやり遂げようと力を合わせれば、北海道全体の活性化が叶うのではないかと考えています。その先導を弊社がぜひ握りたいですね。

社員1人1人が経営者目線を持ち、会社組織を自らつくる仕組みに

一緒に働くスタッフに対して、会社としてどのようなことを求めますか?

経営理念として掲げているのは「会社の幸せが自分の幸せに」です。社員が幸せを感じられない会社には絶対にしたくない。社員にはそれぞれが経営者目線で考え、裁量を持ってさまざまなことを決めてもらっています。
その一環として、賞与額を決めるのもスタッフに任せています。正当な評価のためには社員は必然と主体的になります。会社と自分の幸せのために、業務だけでなく組織体制に関してもどんどんアイデアを出してほしいですね。一緒に会社を成長させていくマインドで活躍していってほしいです。

クリエイターを目指す人にアドバイスをお願いします。

AIやテクノロジーがいくら進化しても、相手の思いや意図を繊細に汲み取ったり、感情の豊かさよる発想や企画は人間を超えられない部分が必ずあります。人には生まれてから毎日、さまざまな経験や感情の蓄積によって感覚や感受性がつくられています。そういった部分に自信を持って、この業界を活性化させていってください。

取材日:2024年2月28日 

株式会社YNSトラスト

  • 代表者名:伊藤 勇二
  • 設立年月:2022年1月
  • 資本金:6,000,000円
  • 事業内容:IT事業、人材紹介
  • 所在地:〒062-0901 札幌市豊平区豊平1条2丁目1番27号
  • URL:https://www.ynstrust.com
  • お問い合わせ先:y_ito@ynstrust.com

この記事は株式会社フェローズが運営する、クリエイターに役立つコンテンツを発信する「クリエイターズステーション」にも掲載されています。

宮本 和加子

宮本 和加子

北海道札幌市

クリエイターズステーション

15年間出版社に勤めた経験を活かしてフリーライターとして活動中。フェローズでは風雲会社伝の札幌を担当。普段は雑誌やWebでグルメ系や人物取材記事などを執筆している。ライター以外には、マヤ暦アドバイザーという別の顔も持つ。

FOLLOW

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です