【ラーメン王国に行ったらこれを食え!】そば屋で生まれたラーメン「鳥中華」は激ウマすぎるソウルフード!【山形県天童市】

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【「鳥中華」写真提供:山形県広報広聴推進課】

東北山形には、四季折々の食材を生かした郷土料理が豊富にある。特に、気温が下がり始める秋から冬にかけては身も心も温かくなるような料理が多い。例えば、秋になると材料と味付けをめぐって、しばしば“戦争”と呼ばれるほどの熱いバトルになる「芋煮」。この料理も山形の名物だ。さらに、「ひっぱりうどん」や庄内地方の冬の味覚である「どんがら汁」も、寒い季節にぴったりの一品として知られている。

【庄内地方の冬の郷土料理「どんがら汁」、写真提供:山形県広報広聴推進課】

その中でも、意外と見逃されがちな隠れた名物が「鳥中華」だ。山形は北海道や秋田に次いで食料自給率*が高く、また、ラーメンも非常に人気の高い地域でもある。2023年には、山形県の中華そばの外食支出額が2年連続で全国1位に輝いたことでもその人気の高さが伺える。

【県南部にある米沢ラーメンも人気。この澄んだスープが魅力。写真提供:山形県広報広聴推進課】

そば屋でうまれたラーメン「鳥中華」

【そば屋の裏メニューだった「鳥中華」写真提供:山形県広報広聴推進課】

「鳥中華」は、もともと山形の老舗そば店から生まれたラーメンだ。和風の濃厚なそばつゆをベースにしたスープに、歯ごたえのある中華麺が絶妙に絡む。具材はシンプルで、柔らかい鶏肉、天かす、三つ葉、刻みのりがトッピングされている。この一杯は、和と中華が融合したユニークな味わいが特徴で、あっさりとしているが、どこか後を引く深いうまみがある。

山形を代表する「鳥中華」

特に天童市にある「水車生そば」では鳥中華が人気で、そばよりもこのラーメンを注文する客の方が多いという。店自慢のそばつゆが、もちもちとした中華麺と絡む様子は、まさに「山形の味」。天かすが浮かぶスープの黄金色は、見た目にも食欲をそそる。

【鳥中華に使われる昆布やカツオ節など。撮影:水車生そば、写真提供:山形県広報広聴推進課】

もともとはそば屋のまかない料理として誕生した鳥中華だが、そのおいしさが口コミで広がり、今では全国的にも知られるようになった。約50年前までは裏メニューに過ぎなかったが、今では多くの店が提供し、インスタント麺としても販売されるなど、その人気は衰えることがない。

【そば店「水車そば」のある天童市は将棋でも有名、写真提供:山形県広報広聴推進課】

山形の冬のごちそう「鳥中華」

冬の寒い日、山形に訪れた際にはぜひ「鳥中華」を試してみるといい。熱々のラーメンが、冷えた体を温め、心までほっこりさせてくれることだろう。また、地元のグルメを楽しむことで、その地域の文化をより深く知ることができ、応援することにもつながる。それが、山形の「鳥中華」が持つ魅力のひとつだ。

*都道府県の食料自給率(農林水産省)
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/zikyu_10.html

昆愛

昆愛

福島県郡山市

第4期ハツレポーター

埼玉県川越市出身。前住地は山形県鶴岡市。会社員のかたわら、地域資源の掘り起こしとその魅力発信活動に取り組む。2023年、「誰もいなくなった町。でも、ここはふるさと~原子力発電所と共存するコミュニティで“記憶”と“記録”について考える【福島県双葉郡富岡町】」で本サイトのベスト・ジャーナリズム賞を2年連続受賞、また2024年、天文活動の報告・交流等を目的としたシンポジウムでの発表「天文文化史で地元の魅力発信?九曜紋が導く新たな誘客構想とは【福島県南相馬市】」で渡部潤一奨励賞を2年連続受賞。

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