「花畑の里親?」花咲き乱れるフラワーガーデンを育てる驚きの力とは【北海道網走市】

2 min 275 views
 〇2023年9月のフラワーガーデン「はな・てんと」の風景

夏季は利用していない網走レークビュースキー場のゲレンデを利用している「フラワーガーデンはな・てんと」(以下「はな・てんと」)は、北海道網走市の天都山(てんとざん)山頂近くに位置し、観光スポットや市民の憩いの場として、市民の皆さんと「アドプト・プログラム」で一緒に育てていく花園です。

2002年から育ててきた花園は22年目を迎え、今年は3.5ヘクタールの面積に40団体が割り当てられた区画それぞれに、苗の定植から補植や雑草取りまで作業を行います。

実は筆者や家族も参加している「フラワーガーデンはな・てんと」のアドプト・プログラム、知られざる驚きの市民パワーについて紹介していきたいと思います。

アドプト・プログラムとは?

網走市観光協会のホームページ内にある、「フラワーガーデンはな・てんと」のページによると、「『アドプト・プログラム』とは、企業団体やグループなどが道路・川・公園といった公共の一定区域と『養子縁組(アドプト)』し、その区域の清掃・緑化など整備を行うというものです。

『アドプト・プログラム』が一般的なボランティア活動と違うのは、参加団体と行政側が一定の契約を取り交わす点です。参加団体は担当区域の整備を行う代わりに、行政側は各団体の活動の支援や、地域貢献を広くアピールするためサインボードの設置などを行います」

と掲載されています。

それを踏まえたうえで、「はな・てんと」のアドプト・プログラムを分かりやすく紹介しますと、参加した市民の皆さんが里親になり、網走市から用意された花の苗や道具を使って担当区画に6月上旬から中旬に花植えをします。

その後除草作業や補植作業を10月中旬までに6〜8回程行い管理をします。

網走市では「はな・てんと」内に各参加団体の看板を設置する等、フラワーガーデン「はな・てんと」と参加団体の活動の周知を行っていく、このような内容となっております。

つまり網走市民のボランティアの力で成り立つ花園と言えます。

来園者も驚く市民の力

令和6年度は、40団体・協賛1団体の総勢530名が、3.5ヘクタールの面積に4色のサルビアを約3万5千株を定植し整備しています。

例年担当区画を整備していると、訪れた観光客の方々から「おつかれさま」や「ごくろうさん」と声をかけていただきますが、区画ごとに置いてある看板を見て、時々ボランティアで作業しているのかと尋ねられます。

アドプト・プログラムを説明すると長くなりますので、私は「どの区画も皆さん市民ボランティアですよ」と答えます、大体の方が市民ボランティアと聞いて驚きの表情を浮かべます。

中には「市民ボランティアのクオリティじゃないでしょう」とか「網走の人は凄いですね」といった嬉しい言葉をいただくこともあります。

こういった来園者の生の声は、意外と市や私達のような「はな・てんと」関係者には届かないので、それを聞けた時にはとても嬉しくやりがいを感じます。

 〇2024年7月、肥料袋4袋分雑草を取った後の筆者の担当区画

来園者も驚く市民の力で育てられている「フラワーガーデン はな・てんと」。今年も国内・国外から沢山の方が訪れると思われますが、実はまだまだ網走市の観光スポットとしては知れ渡っておらず、網走市民でも知らない方が多いのです。

毎年工夫を重ねつつ市民の愛情いっぱいに育てられ、約3万5千株の花が彩り鮮やかに咲き乱れる「はな・てんと」は、10月中旬ごろまで開園しており、見頃は例年8月上旬から9月下旬頃となっています。

知る人ぞ知る網走の花園に、一度訪れてみませんか。

▷情報

住 所:北海道網走市呼人15
料 金:無料
駐車場:あり(100台)
お問い合わせ:0152-44-6111(網走市役所観光課)

▷網走市観光協会 https://visit-abashiri.jp/ 

猪澤航

猪澤航

北海道網走市

第5期ハツレポーター

北海道網走市出身、高卒から四半世紀近く周辺2市4町を転勤し歩き、お店も信号機も学校も無い集落を経て網走市へ戻ってきました。離れている時はあまり感じなかった地元愛が、戻ってきてみると驚くほど網走が大好きなことを再確認しました。
そんな私が、離れていたからこそ見える魅力や感動を発信していけたらと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です