社内から始まる楽しさの連鎖で仲間を作り、仲間とともに誰も考えもしない事業をつくる<株式会社エコテック 代表取締役 社長伊藤大輔さん>

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エコテックは、「快適空間でみんなを笑顔に」をブランドパーパスとして掲げ、主力製品である「UVフロアコーティング」を、全国の住宅や施設に施工している企業です。創業社長の星山崇行さんからエコテックの事業を引き継ぎ、2025年2月から代表取締役社長として事業を推進しているのが伊藤大輔さんです。伊藤さんに、エコテックの事業内容や事業承継で大切にするべきこと、フロアコーティングにとどまらないエコテックの今後の事業展開について話を伺いました。

フロアコーティングの原点は「あるものに手を加えることで長持ちさせて価値を高めること」

エコテックは、業界屈指のUVフロアコーティング技術を基盤に、住宅や商業施設、学校の体育館などで安全性や快適さ、資産価値を高める事業を展開しています。エコテックを中心とした企業グループ「エコテラスグループ」の年間施工数は全国で8,000件を超え、近年においては、幼保園の施設メンテナンス事業、空調電力削減事業やサーキュラーエコノミー事業などにも事業領域を拡大しています。

「エコテックのフロアコーティングの原点は、古くなった床を削って、塗装して、よみがえらせるサービスだったんです。あるものに手を加えて長持ちさせるって発想なんですね」と伊藤さん。こうした発想は、近年の環境配慮を目的とした事業展開にもつながっています。

伊藤さんは、創業社長の星山さんからエコテックの経営を引き継ぐにあたり、単に業務を継続して世代交代をするだけでなく、エコテックが大切にしてきた文化や価値観をどう継承し、さらに発展させるかを重視しています。

「仕事は楽しく。あるものでなんとか成果を出して、やりたいことをやる」大切にしたいエコテックの社風

伊藤さんは、もともとミュージシャン志望で、かつては清掃会社のフランチャイズオーナーとして事業を行っていました。その際に星山さんと出会った縁でエコテックに加わります。

「掃除とコーティングって近い領域だったんですね。エコテックのコーティングの事業が忙しくなってきたタイミングで、『人がいないからうちで働かないか?』と星山さんに声をかけられたのがきっかけです。関わっていく中で、働いている人が楽しそうなのが印象的でした」と伊藤さんは当時を振り返ります。

そこから、施工管理など様々な仕事に携わりながら、趣味でやっているDJのイベントに社員や施工会社の仲間を呼んで関係性を深めていく活動も精力的に推進してきた伊藤さん。エコテックの好きな文化を尋ねると、

「『仕事は楽しく』がエコテックのクレド。どうやったら仕事が楽しくなるかを常に考えています。予算がないからできないのではなく、あるものでなんとかしてみんなで成果を出す。それを考えるのが楽しいですし、一生懸命頑張って、利益を出せば、やりたいことができるという文化は、先代の星山さんの時代から貫かれていますね」と語り、エコテックの文化の根幹にあるものを強調します。

創業者から「したたかさ」を評価され、次の代表取締役に

伊藤さんが星山さんから、次の社長に指名されたのは5年前のことでした。

なぜ伊藤さんが後継者に選ばれたのか。その理由について、星山さんは、伊藤さんの「したたかさ」を第一に挙げます。「事業を推進する『攻め』より、組織運営における『ディフェンス力』の強さを評価しました。「星山さんは『背中で見せる』タイプ。星山さんが無言で見せているメッセージを拾い上げて、形にするのが、他の人より上手かったのかもしれません」と、伊藤さんは自分で分析します。


その後、星山さんと伊藤さんは、引き継ぎを5年かけてていねいに準備を進めてきました。現在、伊藤さんはかつて星山さんが実践していたように「なるべく実務をしない」ことを意識しています。できることは他のメンバーに任せ、自分が本当にやるべきことに集中しています。

「去年までは施工報告の確認業務などの実務を行っていましたが、今は会社の仕組み化に注力しています。星山さんが社長時代にそうしていたように、社長になるなら、そういう実務はやらない方がいいですよね。今は、営業よりもバックオフィスや総務人事系に課題を感じているので、そちらの優先順位を上げました」と話します。

その一環として、コンプライアンス強化のための人材確保にも動いており、キャリア採用で大手IT企業の人事部出身のベテラン(63歳)を迎え入れるなど、新たな体制づくりを進めています。

「仲間づくり」を軸に、新たな価値を生み出す

エコテックは、単なるフロアコーティング企業から、人と人との関係性を大切にし、その関係性から新しい価値を生み出す「仲間づくり」企業へと進化しようとしています。エコテックが考える仲間づくりは、会社の中と外の垣根を越えた価値創造の仕組みです。

「少子化による住宅市場の縮小、景気情勢による消費者心理の変化など、将来的な業界動向を見据え、フロアコーティング事業のみに依存しない新たなビジョンを描く必要があります。そのビジョンを実現するのに必要不可欠なのが『仲間づくり』です。資本関係にこだわらず、お互いの強みを生かし合える協力会社を増やしていく。足りない部分を補い合いながら、価値を生み出せる仕組みをつくりたい」と続けます。その延長線上で、たとえば、星山さんが構想した「タイヤのサーキュラーエコノミー事業」のような、従来の枠にとらわれない新たな事業を展開することも視野に入れています。「考えもしないような事業」を生み出し続けることで、社会に新しい価値を提供していく考えです。

「社員には、フロアコーティングを売るのではなく、この会社で働くことを楽しみ、お客様と出会うことを楽しむ、その結果、お客様に選んでいただけるのだということを伝えています。人と人との関係作りこそがエコテックの価値の根幹です」

エコテックは、関係性の中で価値を生み出し、成長していく企業であり続けます。

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畠山智行

畠山智行

ローカリティ!エヴァンジェリスト
ふるさと:
宮城県仙台市(出身地) 
秋田県湯沢市(自分で選んで移住した土地その1) 
神奈川県横浜市(自分で選んで移住した土地その2)

何気ない日常がどんなに尊く、感動に満ちているか、そのことに読者の皆さんが気付けるメディアに成長させていきたいと思います!

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