福島の春の風物詩「雪うさぎ」 姿を現す 信夫山からくっきり【福島県福島市】

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福島市に春を告げる吾妻小富士の残雪「雪うさぎ」。福島市のキャラクター「ももりん」のモデルにもなっている=4月29日、福島市御山より筆者撮影

福島市の西にそびえる吾妻小富士(標高1707メートル)の山肌に、春の訪れを告げる「雪うさぎ」が今年も姿を現した。肌寒さの残る4月29日、市街地の中心にある信夫山からも、その愛らしい姿をはっきりと望むことができた。

「雪うさぎ」は、吾妻小富士の東斜面に残った雪がウサギのような形に見えることから名付けられた自然の造形。古くから「種まきうさぎ」とも呼ばれ、地元の農家たちはこの“雪うさぎ”を合図に、田畑の準備を始めたという。自然と暮らしが結びついていた時代の知恵だ。

この日の福島市は冷たい空気に包まれ最高気温は16.5度と、前日から4度も下がった。吾妻小富士につながる磐梯吾妻スカイライン沿いの浄土平では、春の終わりにしては珍しく、うっすらと雪が積もったという。

今季、スカイラインは4月26日に冬季通行止めが解除されたばかりだったが、30日には再び閉鎖されることに。めまぐるしく変わる春の空模様のなか、山肌に浮かぶ白いうさぎだけが、変わらぬ姿で新しい季節の到来を静かに告げていた。

昆愛

昆愛

埼玉県川越市出身。前住地は山形県鶴岡市。会社員のかたわら、地域資源の掘り起こしとその魅力発信活動に取り組む。2023年、「誰もいなくなった町。でも、ここはふるさと~原子力発電所と共存するコミュニティで“記憶”と“記録”について考える【福島県双葉郡富岡町】」で本サイトのベスト・ジャーナリズム賞を2年連続受賞、また2024年、天文活動の報告・交流等を目的としたシンポジウムでの発表「天文文化史で地元の魅力発信?九曜紋が導く新たな誘客構想とは【福島県南相馬市】」で渡部潤一奨励賞を2年連続受賞。

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