十数年ぶりに並んだ川崎大師 地元で気づいた厄除けの力【神奈川県川崎市】

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今年の年始、筆者は地元・神奈川県川崎市に帰省し、初詣に出かけた。向かった先は、全国的にも厄除(よ)け大師として知られる 川崎大師平間寺 である。川崎大師は「厄除弘法大師」として厚い信仰を集める真言宗智山派の寺院で、正式名称を金剛山金乗院平間寺という。1128(大治3)年、漁師の平間兼乗と高僧がともに寺を建立したことに始まり、以来、多くの人々の厄除けと諸願成就を祈る霊場として親しまれてきた。

地元では、川崎大師は初詣の混雑がすさまじいことで知られており、あえて足を運ばないという人も少なくない。筆者も学生時代、家族で何度か訪れたことはあるが、数時間に及ぶ行列のイメージが強く、その後十年以上足が遠のいていた。

しかし今年は久しぶりに川崎大師を訪れようと思い立った。公共交通機関では、京急大師線の川崎大師駅で下車し、徒歩約8分ほどで表参道へ出ることができる。駅から参道へ向かう商店街と仲見世通りの両脇には、すでに大勢の参拝者の列が延々と続いていた。子どもの頃に感じた“混雑”の記憶が一気によみがえる。

それでも歩き進めると、両脇に並んだ出店が自然と気持ちを軽くしてくれる。歩きながらの食べ歩きが楽しめる屋台が軒を連ね、初詣の列の中にも笑顔があふれていた。

参道を抜け、境内まで並ぶことおよそ二時間。ようやく総門をくぐり、堂々とした伽藍(がらん)の奥にある札所までたどり着いた。御本尊は「厄除弘法大師」であり、その前には初詣を待つ長い列が伸びている。大勢の参拝者が一度に進むと危険なため、数分おきに人員整理がされ、少しずつ列が進んでいく。

正面の建物に御本尊が祀(まつ)られている

これまで他の神社や寺院で初詣をしたことはあるが、これほど多くの人々が同じ場所で祈りを捧げる光景はなかった。三が日には全国から数百万もの人が訪れるという話を思い出し、改めて川崎大師が人々の信仰を集めていること、その重みが地元にあることへの誇りを強く感じた。

写真:参列者の列

ようやく自分の順番が回ってきて、静かに手を合わせた。新しい年の幸福と無事を祈る。その後、身代守と呼ばれるお守りを手に入れた。これは病気やけがなど、身の回りの災難を身代わりに受けてくれるとされる護符だ。

写真:筆者が購入した身代守

境内を出ると、再び仲見世通りが迎えてくれる。ここには老舗の土産物店が並び、参拝者の足を止める。

写真:仲見世通り

中でも有名なのが「とんとこ飴(あめ)」の店だ。長く伸ばした飴を包丁で小刻みに打ち付けるたびに「とんとこ、とんとこ」と軽快な音が響く。明治時代から続く店や伝統の菓子が並ぶ通りは、初詣という心の高ぶりを和らげるかのようににぎやかで、歩くだけでも楽しいひとときを過ごせる。

写真:とんとこ飴の実演販売
写真:老舗の飴店

川崎大師は、参拝の列こそ長いものの、全国的に有名な厄除けの寺として、また日本の伝統的な風景や文化を感じられる初詣先として、再認識すべき場所である。遠くへ旅行に出かけるだけでなく、地元にも素晴らしい場所があることを改めて感じた。

まだ川崎大師を訪れたことがない人がいるなら、ぜひ一度その空気を肌で感じてほしい。人々の祈りと伝統が息づくこの場所は、新しい年を迎えるにふさわしい、静かで力強い“はじまりの場”である。

情報

川崎大師

住所:神奈川県川崎市川崎区大師町4-48
大本堂開扉時間:
4月〜9月:5:30~18:00
10月〜3月:6:00~17:30
川崎大師HP:https://www.kawasakidaishi.com/
川崎大師観光センター:http://kawasakidaishi-kanko.com/nakamise/nakamise.html

田口雄太

田口雄太

神奈川県出身。現在は山形県で探究教室の運営に携わっています。アフリカ・ルワンダでの2年間の生活経験もあり、旅と写真を通して、その土地ならではの感動を伝える記事づくりを目指していきます。

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