名古屋市北区の名城(めいじょう)公園では、「藤の回廊」が見ごろを迎えている。
名古屋城のお堀沿いに続く約660mの藤棚は、この時期ならではの春の光景だ。

目次
約660m続く春の回廊

名古屋市北区にある名城公園の「藤の回廊」。
名古屋市によって1984年から3年かけて整備され、白花美短(シロカピタン)藤や野田藤、本紅藤など9種類・約82本が植えられている。
例年4月中旬から5月上旬にかけて見頃を迎える。
藤棚の下で感じた色と香りと音

訪れたのは、2026年4月中旬の日曜日。
名古屋市営地下鉄・名城線「名古屋城」駅7番出口を出て、北へ約200メートル歩くと、東門付近に藤棚が見えてくる。今回の散策の起点だ。
この日、園内は多くの人で賑わっていたが、藤棚の下に入ると、周囲のざわめきがすっと遠のいた気がした。
見事に咲きそろった三尺藤の下では、ほんのり甘い香りがただよう。
思わず深呼吸して、自然と歩く速度がゆるむ。
耳を澄ますと、花が揺れ合う気配や、クマバチの羽音をかすかに感じた。
色と香りに加え、音でも季節を感じられることに、ふと気づいた。

品種ごとに異なる表情
回廊の一角では、遅咲きとされる白野田藤が控えめに咲いていた。
小ぶりでやわらかな白色が、周囲の紫と対比して印象に残る。

圧巻だったのが九尺藤だ。
長い花房が視界いっぱいに広がり、手を伸ばせば触れられそうなほど。
まるで藤の花のシャワーを浴びているようだった。
同じ藤でも、場所ごとに異なる表情があり、歩みを進めるたびに景色が変わっていく。

名古屋城と重なる一瞬
回廊の端にある南遊園(みなみゆうえん)付近まで来ると、お堀越しに名古屋城の天守が見える。
藤の花越しに眺めるその姿は、この時期、この場所でしか出会えない光景だ。

春の色に包まれた名古屋城は、いつもより優しげな表情に見える。
春がまたひとつ深くなっていた。
画像はすべて筆者撮影(撮影日2026年4月19日)
基本情報
名城公園「藤の回廊」
住所:愛知県名古屋市北区名城1丁目1
最寄り駅:名古屋市営地下鉄名城線 「名古屋城」駅
※ 東門付近の藤棚を散策の起点とする場合、「名城公園」駅より、「名古屋城」駅が近い。





