
ローカリティ!が大事にしている「驚き・発見・感動」は心のゆらぎから生まれるものです。
人はだれしも心がゆらぎ、ときめきや衝動、不安や迷い、言葉にならない感情のうねりを持っています。
ローカリティ!はそんな人の「心のゆらぎ」を肯定する場です。
2月に全国各地から届いたたくさんのハツレポやオリジナル記事を紹介しながら、感じたことをお伝えします。
目次
はじめてのハツレポ
宮城県石巻市の和菓子屋さんのハツレポです。
上野さんの初めての記事にもかかわらず、多くの人に読まれ、コメントも多くいただきました。丁寧に取材をされているのがその理由だと思います。
福島県桑折町から、菅生さんのハツレポ「凍天」です。
「しみてん」を知らない人にとっては、その価値がすぐには伝わらないかもしれません。
地元で愛され続けてきた味には、その土地の記憶や人の思いがしっかりとしみ込んでいるのです。
自分の心の動きがみんなを動かした、ザ・ハツレポ
八女市の久田さんのこの見出しに心動かされた人は多かったかもしれません。
自分の驚き・発見・感動を素直にあらわしたのが価値だと思います。
久田さんの呼びかけにこたえ、全国のハツレポーターがひとつになったこの記事は、まさにローカリティ!の真価が現れた瞬間でした。
誇りを持って仕事に臨む姿勢を描く
我孫子市から初となるハツレポでは、フレンチの名店オーナー・金沢さん、そして土浦の記事ではれんこん農家・吉田さんの姿が描かれ、それぞれが目の前の仕事に向き合い、誇りをもって生きる姿を、書き手の愛智さんがまっすぐにとらえていたことが印象的でした。
また、90歳で今なお酪農の現場に立ち続ける福井市の名津井さんの姿に、書き手の大野さんが向けたまなざしには、仕事に向き合う人の原動力を見つめようとする誠実さと敬意が感じられました。大野さんならではの記事です。
一度途絶えてしまった地元の大事な産業を守る人たちの地道な積み重ねを、亀谷さんが丁寧にストーリーにしているのが素晴らしいです。ローカリティ!は、こういう世界を作っていきたいのです。
この人たちの物語を書いてくれてありがとう。それぞれの生きた証しを形にしたことに意味があるのです。
好きなことに向き合う人の姿を描く
好きなことにまっすぐ向き合う姿には、読む人の心にゆらぎをもたらす力があります。中尾さんの記事は2記事とも、その人にとっての“好き”がにじみ出るような語りが、静かに確かに届きました。
アマチュア無線という目には見えないものを、人と人を結ぶつながりとして描いた昆さんの視点が素晴らしかったです。
現場におもむいてそのままを伝える力
写真がとても美しい。椛澤さんの現場性が生きている記事です。
那智勝浦のぶつぶつ川のことは過去に聞いたことがあったけれど、現場におもむき記事にしてくれたのは今回がはじめてのことです。また、高島市からのはじめてのレポートもありがとうございます。
亀田さんがめったに入ることのできない新酒度数検討会に潜入し、現場をリアルに取材してくれたことがとてもうれしいです。
「お金のリアル」というユーモアあふれる高橋さんの驚き発見感動を現場から伝えてくれたことが素晴らしいです。
渡邉さんのレポートは、回を重ねるごとに伝える力が強くなっていると感じます。
さまざまな視点から、現場だけではなく社会にも向きあい、伝わるものがあります。
(まち歩きは、僕も参加したかった!!!)
昆さん、文章では伝えづらい「強烈なにおいの世界」を届けてくれてありがとう。
昆さんの地域の特ダネが連発
今月も昆さんの多彩な地域特ダネを連発していただきました。特に「佐渡ブロック」の記事はYahoo!で13000pvを超え多くの人に読まれています。
ローカリティ!企画特集(震災報道)
福島県いわき市で続いてきた、津波遺留品の返還事業が今年度で終了しました。
この記事では、昆さんが14年にわたる取り組みを丁寧に取材してくださっています。
震災報道から始まったローカリティ!の原点になる記事は企画特集というカテゴリーに分けて発信しています。いつもこうして丁寧にすくい取ってくださることに、心から感謝します。
語りえぬ(ことばにしづらい)ものと向き合う
僕自身がそうであるように、ローカリティ!に集う人はみな、「心のゆらぎ」を抱えている人が多い気がしています。
けれどこの「心のゆらぎ」は、社会的な評価の中では、長らく見過ごされてきたものかもしれません。
「驚き・感動・発見こそが価値だと信じ生きる」こと。
それは、ことばにしづらい語りえぬものと向き合うことでもあります。
それは、ことばにしづらいし、ことばにしてもうまく伝わらないかもしれない。
でも、その「価値」は、ただ気づかれていないだけで、たしかにそこにあるんです。
すべてを理解することはできなくても、
そこにある“心のゆらぎ”を、見つめて存在を理解することはできる。
それが、ローカリティ!という場の根幹にある気がしています。
そんなまなざしの先にあるものを、丁寧に受けとめてきたのがローカリティ!です。
これからも、あなたの中にある小さなゆらぎを、ローカリティ!に届けてくれたらうれしいです。