3代続けてたどり着いた、全ての人が笑顔になる「元気なガーベラ」作り【和歌山県白浜町】

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ガーベラファーム西浦は、和歌山県白浜町で、祖父の代から3代続く花卉農園です。現在は、「ガーベラ」を栽培しており、手に取った全ての人が笑顔になり元気になる「元気なガーベラ」をたくさんの人に届けることを目指しています。

多くの人に愛される華やかな存在感を持つガーベラ 

ガーベラは、南アフリカ原産の多年草でキク科のガーベラ属の植物で、「希望」「前向き」という花言葉があり、贈る人の気持ちが表現しやすいことから、幅広い世代の方々に愛されています。品種の多さから花束やアレンジメント、冠婚葬祭などのさまざまな用途で使われています。

ピンク、黄色、赤、白、オレンジなど色の種類が豊富で、一重咲き、八重咲き、花が丸いポンポン咲きや、花びらが細いスパイダー咲きなど、国内で出回っている品種は、数え切れないほどあります。

ガーベラファーム西浦では、南紀白浜の強い日差しと温暖な気候を利用し、施設栽培で「元気なガーベラ」を生産しています。

3代続けて花と向き合い、「元気なガーベラ」にたどり着く

 

ガーベラファーム西浦は、戦後半農半漁生活をしていた祖父が、南紀白浜の強い日差しと温暖な気候を利用し、紀南で初めて菊などの花づくりを始めました。

父の代に引き継がれた約30年前から、ガーベラ作りが始まりました。苗を土に直接植え付ける「土耕栽培」から、20年ほど前に、オランダ式の「養液栽培」技術を導入しました。現在は父の温室を引き継いだ3代目の農園主の西浦健太が、悪戦苦闘しながら試行錯誤を重ね、病害虫を徹底防除し、健全に育て上げる「元気なガーベラ」の栽培に成功しました。

「このままでは駄目だ!」 全滅の危機からの一念発起 

約30年前に父が始めたガーベラ栽培でしたが、2008年頃から何故か、6月に植え付けた苗が、9月にバタバタ枯れてしまう事態が発生しました。秋から翌年の春にかけて出荷するガーベラがほとんど無くなってしまい、廃業寸前まで追い詰められてしまいました。

その時、苦境を聞きつけた愛知と山口のガーベラ農家の方が当農園を訪れ様々なアドバイスをくださったことが、新たな道が開けるきっかけとなりました。愛知と山口のガーベラ農家さんの温室の見学をさせてもらい、当農園との出来ばえの差に驚きました。

それまでは自分なりに作業していた現農園主が、「このままでは駄目だっ!」と思い、一念発起し農園の改革に着手したのです。

ガーベラにとって良い遮光率が施設によって微妙に違っているということに気づき、当農園の温室の遮光率は何パーセントがいいのか実験をし適切な遮光資材を設置したり、天窓を開閉させる制御盤を新しくし、天窓と遮光カーテンを連動させ、温度と湿度両方の管理ができるようにしました。これによってガーベラが苦手とする急激な環境の変化に対応することができました。他にもコツコツと工夫をしながらあらゆる改革を重ねました。

日本の農家にはよくある話なのですが、考えが古い父親と、新しい栽培方法を取り入れたい現農場主(息子)が激しい喧嘩を繰り返しながら、ついに私たちのガーベラは、とても美しく咲き続けるようになりました。

お客様が、「すごい!」と唸るような品質を

品質の良いガーベラは、花が大きく茎が太くてしっかりしています。

私たちは、花を買っていただいたお客様が、「すごい」と唸るような品質を目指しています。

当農園は、2Lと呼ばれる規格を、茎の長さを50センチ以上、太さを5ミリ以上、茎が真っ直ぐであるかを基準に設定しています。これは、他のガーベラ産地の規格よりも厳しい基準になっています。

そのような「すごい」ガーベラを作るために、当農園は、温室内を清潔に管理し病気の発生を抑え、花を切る際の葉っぱの調子を確認し、病虫害の発生を素早く見つけるなどして防除を徹底しています。

ガーベラの異変に気付くように、毎日温室のパトロールをして、採花で花の奇形や花びらに付くシミなどをしっかりと選別し、スタッフだけでなく農園主も参加し品質チェックを行っています。

手に取ったすべての人が笑顔に、そして元気になるような「元気なガーベラ」を目指しています。

手に取った人が笑顔になり元気が出る「元気なガーベラ」をもっと気軽に

今後は、温室の前でお客様と対面しながら軒先販売をしたり、温室の見学会など開催してみたいと思っています。ぜひ自慢のガーベラを、直接現地で見に来てもらいたいと思っています。

心を込めて育てた「元気なガーベラ」を手に取れば、きっとあなたも元気になると私たちは信じてます。

(中西 愛さんの投稿)

■ 情報

ガーベラファーム西浦

・HP:https://www.gerbera-farm.com

・住所:〒649-2334 和歌山県西牟婁郡白浜町才野 1313-1

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