夏季は利用していない網走レークビュースキー場のゲレンデを利用している「フラワーガーデンはな・てんと」(以下「はな・てんと」)は、北海道網走市の天都山(てんとざん)山頂近くに位置し、観光スポットや市民の憩いの場として、市民の皆さんと「アドプト・プログラム」で一緒に育てていく花園です。
2002年から育ててきた花園は22年目を迎え、今年は3.5ヘクタールの面積に40団体が割り当てられた区画それぞれに、苗の定植から補植や雑草取りまで作業を行います。
実は筆者や家族も参加している「フラワーガーデンはな・てんと」のアドプト・プログラム、知られざる驚きの市民パワーについて紹介していきたいと思います。
アドプト・プログラムとは?
網走市観光協会のホームページ内にある、「フラワーガーデンはな・てんと」のページによると、「『アドプト・プログラム』とは、企業団体やグループなどが道路・川・公園といった公共の一定区域と『養子縁組(アドプト)』し、その区域の清掃・緑化など整備を行うというものです。
『アドプト・プログラム』が一般的なボランティア活動と違うのは、参加団体と行政側が一定の契約を取り交わす点です。参加団体は担当区域の整備を行う代わりに、行政側は各団体の活動の支援や、地域貢献を広くアピールするためサインボードの設置などを行います」
と掲載されています。
それを踏まえたうえで、「はな・てんと」のアドプト・プログラムを分かりやすく紹介しますと、参加した市民の皆さんが里親になり、網走市から用意された花の苗や道具を使って担当区画に6月上旬から中旬に花植えをします。
その後除草作業や補植作業を10月中旬までに6〜8回程行い管理をします。
網走市では「はな・てんと」内に各参加団体の看板を設置する等、フラワーガーデン「はな・てんと」と参加団体の活動の周知を行っていく、このような内容となっております。
つまり網走市民のボランティアの力で成り立つ花園と言えます。
来園者も驚く市民の力
令和6年度は、40団体・協賛1団体の総勢530名が、3.5ヘクタールの面積に4色のサルビアを約3万5千株を定植し整備しています。
例年担当区画を整備していると、訪れた観光客の方々から「おつかれさま」や「ごくろうさん」と声をかけていただきますが、区画ごとに置いてある看板を見て、時々ボランティアで作業しているのかと尋ねられます。
アドプト・プログラムを説明すると長くなりますので、私は「どの区画も皆さん市民ボランティアですよ」と答えます、大体の方が市民ボランティアと聞いて驚きの表情を浮かべます。
中には「市民ボランティアのクオリティじゃないでしょう」とか「網走の人は凄いですね」といった嬉しい言葉をいただくこともあります。
こういった来園者の生の声は、意外と市や私達のような「はな・てんと」関係者には届かないので、それを聞けた時にはとても嬉しくやりがいを感じます。
来園者も驚く市民の力で育てられている「フラワーガーデン はな・てんと」。今年も国内・国外から沢山の方が訪れると思われますが、実はまだまだ網走市の観光スポットとしては知れ渡っておらず、網走市民でも知らない方が多いのです。
毎年工夫を重ねつつ市民の愛情いっぱいに育てられ、約3万5千株の花が彩り鮮やかに咲き乱れる「はな・てんと」は、10月中旬ごろまで開園しており、見頃は例年8月上旬から9月下旬頃となっています。
知る人ぞ知る網走の花園に、一度訪れてみませんか。
▷情報
住 所:北海道網走市呼人15
料 金:無料
駐車場:あり(100台)
お問い合わせ:0152-44-6111(網走市役所観光課)
▷網走市観光協会 https://visit-abashiri.jp/