岩手県盛岡市のほぼ中心部に位置する場所に、こぢんまりとした素朴な神社がある。そこはただの神社ではない。「岩手」という地名の由来と伝えられる神社でもある。
それは三ツ石神社。「三ツ石」とは元々1つの岩が3つに割れて「三ツ石」となったらしい。
奥に行くほど3つに割れている痕跡が見られる。
年代は不明であるものの、俗説によればこの地に住民や旅人たちを悩ませ続けた鬼がいたとされる伝説がある。神社の神様がその鬼に二度と来ないよう三ツ石に縛り付けて手形に押させたのがきっかけで「岩手」という地名が誕生したと伝えられている。
また、鬼の退散を人々が喜んで「さんささんさ」と踊ったことが岩手の夏の風物詩・さんさ踊りの始まりといわれ、その発祥の地としても伝えられている。
岩手に行ったら、ぜひ、立ち寄ってみてほしい。地名の由来の伝説巡りがもっと楽しくなるかもしれない。
※画像は2024年8月5日、すべて筆者撮影