和歌山新宮市と言えば熊野速玉大社が有名ですが、熊野速玉大社から徒歩数分のところにひっそりとあるのが「神倉神社(かみくらじんじゃ)」です。
ここ、熊野権現が熊野三山としてまつられる以前に、初めて地上に降臨した聖地と言われる地味にすごい神社なのです。が、すごいのはそれだけではなく……
ハード過ぎる石段。
体感傾斜はおおよそ80度。
登っていくほどにどんどんと傾斜がきつくなり、上を見上げると、そびえ立つ崖が。それはもう石段ではなく、崖と言うにふさわしい。
上を見れば恐怖で足がすくむので、ただひたすら足元を確認し、ガタガタの石段を登っていくのみ。手すりなし、一休みする踊り場のような場所もなかなか現れません。なのに、石段は全部で500段以上も。
中腹まで来ると、やっと傾斜が緩やかになります。頂上にたどり着けば、そこには御神体のでっかい岩「ゴトビキ岩」が、「何でそんなところに?」というアンバランスな場所に鎮座しています。これを見ると、シックスセンスの全くない私でも神々しさを感じます。ああ、怖い思いしてでも訪れてよかった、と思えるのです。下りもこれまた怖いけど。
神倉神社では毎年2月に「お燈祭」と呼ばれる祭りが開催されます。あの急激な石段、というか崖を火を持って駆け下りて速さを競う、想像しただけでもゾッとする行事ですが、怖いもの見たさに行きたくなるお祭りです(今年はコロナの影響で開催されるかどうかわかりません)。
恐怖のパワースポット神倉神社に行かれる際は、極力荷物を持たず、歩きやすく滑りにくい靴を履いて、行ってみてください。