種子島はロケットだけじゃない! 知ってほしい南種子のこと【鹿児島県南種子町】

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〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜

種子島といえば宇宙センターや火縄銃。そんなイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。実は、種子島は農業に適した気候と地形で農業が盛んな地域でもあるのです。なかでも種子島の南に位置する「南種子(みなみたね)町」では、「ポンカン」や「タンカン」といった柑橘類が盛んに栽培されています。

「南種子の柑橘類は味が抜群なんです」と語ってくれたのは、南種子町果樹部会の営業部長、山田文香(やまだ・あやか)さん。

山田さんは現在の夫である晋作(しんさく)さんと南種子町で出会い、結婚を機に関西から南種子町に移住しました。それまでは全く別の仕事をしていた文香さんですが、晋作さんが柑橘農家だったことから、農業に携わることになりました。 

文香さんは晋作さんと共に柑橘農家として働くかたわら、柑橘農家で結成される生産者組合である南種子町果樹部会のメンバーでもあります。文香さんに果樹部会での取り組みや今後の展望について伺うと、農家としての強い思いや南種子の魅力があふれてきました。

(写真左:山田晋作さん 写真右:山田文香さん)

まるで、食べるオレンジジュース??

そもそも、「タンカン」って何?と思った人も多いことでしょう。「タンカン」は温暖な気候で栽培される柑橘類で、日本では鹿児島県の島や沖縄県で盛んに栽培されています。

南種子町で育った「タンカン」や「ポンカン」はとにかく味が抜群だそう。味が濃くて、ジューシーなのが特長です。そう、まさに「食べるオレンジジュース」。

柑橘類を育てる場合、段々畑のようなところで栽培することが一般的ですが、南種子の柑橘栽培は山の斜面にそって、そのまま木を植えています。文香さん曰く、「山が急で作業はすごく大変!」。

しかし、それが南種子の柑橘類が美味しい理由。山の斜面は水はけが良く、日当たりも良いので、味が濃くてジューシーな果実を作るのに最適です。作業は大変ですが手間暇をかけて美味しいものをつくりだしているのです。

「南種子の柑橘栽培を守りたい」、だから知ってもらいたい。

南種子は気候や地形に恵まれ、柑橘類が美味しく育つ地域です。しかし、栽培をする柑橘農家の高齢化が進み、南種子町果樹部会のメンバーもほとんどが60才を超えています。「南種子の柑橘類は味が抜群で、私たちは美味しいものを作っている自信があります。だからこそ、このままなくしてしまうのは悲しい」と文香さんは語ります。

今後も南種子の柑橘栽培を守るためには、「知ってもらうこと」が重要だと文香さんは言います。「まず、美味しいタンカンやポンカンを食べてもらって、南種子や柑橘農家のことを知ってもらいたいです」。ふるさと納税の返礼品として「タンカン」や「ポンカン」を出品することは「知ってもらうこと」の第一歩。美味しい南種子の柑橘類を食べて、南種子や柑橘農家さんのことを知ってほしいです。

また、柑橘農家が栽培を続けていくためには、「農家がしっかり稼げる仕組み」を作ることも重要だそう。南種子の柑橘農家の多くは小規模栽培で、個人での取引がほとんど。買い手の都合で商品が余ってしまうこともあるそうです。そのようなときに、農家の多くが「安く売る」という選択肢をとります。

そのような実情に「余るから安く売るって、なんか違う気がして。農家さんがしっかりと稼げるようにしたいんです」と文香さんは語ります。柑橘農家が安定的に対価を得るために南種子町果樹部会では、ふるさと納税の返礼品として共同出荷をするなど、安定的に供給する手段を模索しています。 

南種子の柑橘栽培の今後に迫ると、これからも柑橘栽培を守っていくために、「商品の味や作り手のことを知ってもらう」、そして、農家を守る仕組みを作っていくという取り組みがありました。

取材を通して、柑橘栽培や地域の未来に対する思いが伝わり、私自身ももっと南種子や柑橘農家さんのことを知りたいと思いました。

國府谷純輝

國府谷純輝

栃木県栃木市

編集部編集記者

第4期ハツレポーター/栃木県茂木町出身。2021年6月より栃木市地域おこし協力隊として栃木市の寺尾地区をメインフィールドに活動している。情報サイト「テラオノサイト」の立ち上げ・運営やYoutubeにてローカルラジオ「ラジロー」を配信するなど情報や魅力発信を行っている。趣味はキャンプとサウナ。

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