愛媛県今治市の大島は人口5500人ほどの瀬戸内海に囲まれた自然豊かな島。この大島で、「大潮」で現れた幻想的な浜辺の風景をご紹介します。
高齢化が進み、空き家の増加など、人口減少が続いている島の一つ。
しまなみ海道と言えば「サイクリストの聖地」で一年中サイクリストがやってきますが、この大島は今治市から来島海峡大橋を渡った最初の島でもあり、どちらかというと、通りすぎるサイクリストも多いようです。
地域の方が大島の魅力を再発見、他地域の方は「大島に行ってみたい」と思っていただければ。
満潮と干潮では海の様子が全く違います。干潮と言っても、「大潮」の時は更に違った景色が広がります。いつもは歩いては行けない島に歩いて行けたり、浜辺が長く続いたり、現れた海の底の生き物たちを鳥たちがせっせとつついたり、いろいろな表情に変化します。
ということで、まずは、満潮と干潮についてお話しします。
地球は1日に1回自転することはみなさんご存知の通りです。この自転により、1日に2回の満潮と干潮が起こります。そして、月が地球の周りを約1か月の周期で公転していることで、満潮と干潮の時刻は毎日約50分ずつ遅れ、さらに、満潮時と干潮時の潮位の差も毎日変化するという仕組みです。
何やら難しい…。
ざっくり言うと、1日2回、潮位が高くなったり、低くなったりするというわけです。それも日によって時間も潮位の差も変わる、ということです。
そして、1日の満潮と干潮の差が最も大きくなるときを「大潮」、差が最も小さいときを「小潮」と言います。
「大潮」は、地球に対して月と太陽が直線上に重なること、それによって、月と太陽による起潮力の方向も重なることで1日の満潮と干潮の潮位差が大きくなり、「小潮」は、月と太陽が互いに直角方向にずれること、それによって、起潮力の方向も直角にずれ、互いの力を打ち消すことで、満干潮の潮位差は最も小さくなるということです。
新月と満月の頃には「大潮」、上弦の月と下弦の月の頃には「小潮」という風に、新月から次の新月までの間に2回ずつ現れます。
みなさんお分かりになったでしょうか。
では改めて、「大潮」の日に海がどうなるか、満潮と干潮の様子と見比べていただきましょう(それぞれ別の大潮の日に撮影しています)。
月、地球、海、の不思議。
そしてもたらされる幻想的な風景。
生き物たちには変わらぬ日常。
大島の風景から感じる自然を味わうのもいいかも。