慶長14(1609)年の築城から400年あまり、兵庫県丹波篠山(たんばささやま)市のシンボルとして名のある篠山城。
今から14年前の平成21(2009)年に築城400年を迎えた時の記念事業として開催されたイベントが、この記事の筆者である私の心に残っている。その名も「お城ドーナツ」。約2000人の参加者がお城のまわりのお堀を手をつないで囲み、人とのつながりを感じられる素敵な経験をした。
丹波篠山市を語る上で欠かせない篠山城は、丹波篠山市の中心部に位置し、慶長14(1609)年に徳川家康の命により、豊臣家ゆかりの大名たちを抑えることを目的に築城された。
それから年月が経ち、築城から400年の節目を迎えた平成21(2009)年に、市内でさまざまなイベントが開催された。
<※当時の様子>丹波篠山築城400年祭オープニング記念式典
https://videotube.sasayama.jp/dtl.php?VID=233
その中のひとつ「しあわせの日市民プロジェクト」が実行委員会をつとめた「お城ドーナツ」は、お城のまわりのお堀を約2000人の参加者みんなで手をつなぎ囲むというものだった。
<※当時の様子>「しあわせの日」お城ドーナツ
https://videotube.sasayama.jp/dtl.php?VID=235&SIZE=S
当時中学1年生だった私は、小学生くらいの知らない女の子と隣同士になり手をつなぎ、終了後に「ありがとう!」と、感謝の言葉をもらった。これが14年経った今でも心に残っている。しかし名前も聞けなかったので、いつかその子と再会できたらいいなと思うも、叶わぬ夢である。もしこの魅力発掘発信レポートを読んで思い出してくれたら、こんなに嬉しいことはない。そういう思いも込めてこれを書いている。
「しあわせの日市民プロジェクト」の主旨書によると、「お城を支える400年の歴史をもつ石垣は、どれをとっても同じ形の石はありません。これと同じように私たち人間も、年齢や性別、障がい、国籍などの違いに関わりなく地域社会の一員として暮らし、一人ひとりが持てる力を発揮して元気に活動できる社会の実現と存続を願いたい」という思いから、このイベントを企画されたとのこと。
このイベントは、「お堀のまわり(四辺)をみんなで手をつなぎ、『四辺を合わせる』=『しあわせ』と感じられる温かなまちづくりを推進できると信じています」という思いを込め「しあわせの日」という名がついた。
また同日に記念植樹が行われ、丹波篠山の素晴らしい自然を、これからも100年先の子供たちにも残してあげたいという祈りも込められた。私はこのお城ドーナツに参加したことが、人とのつながりを大切にしたり、丹波篠山市の100年後の未来を考えるきっかけになった。そんな思いから、現在は丹波篠山市役所で行政の仕事についている。市民と直接関わり、未来を見据えたまちづくりに携わっていきたい。
<※当時の様子>「しあわせの日」記念植樹
https://videotube.sasayama.jp/dtl.php?VID=234&SIZE=S
(國里 真由さんの投稿)