そこはもう「うさぎ」だらけ 地元を歩いたら出会った。秋田・新屋の「うさぎ寺」【秋田県秋田市】

2 min 535 views
タグ:

皆さんは、自分の住む「地元」のことを、どれくらい知っているだろうか。

いつも会社や買い物には自家用車で出かけるので、逆に地元を歩くことなどあまりない、意識したことはない、という方も多いのではないだろうか。筆者もそうだった。

2023年、兎年の年明けに、たまたま近くの神社で大吉を引いたのに気を良くして少し近所を歩いて探索してみたところ、すごいものを発見してしまった。 

卯年の幕開けに出会ったうさぎだらけの「うさぎ寺」

まず目に飛び込んできたのは巨大なうさぎの石像だ。大きな耳と瞳におののく。秋田市新屋(あらや)にある実相(じっそう)寺。別名「うさぎ寺」。一見、普通の民家に見える小さなお寺の境内(ほぼ庭)にひしめき合う、うさぎ、うさぎ、どこを見ても、いやどこからでもうさぎが見ている。

うさぎも寒かろうと、皆に一様に赤いマフラーを結んであげているというお寺の方に、なぜうさぎを祀っているのかをお聞きしたかったが、残念ながら留守のようだった。

墓石の周囲から玄関の脇から山門の上に至るまで、うさぎたちが寒空の下、それぞれの表情を浮かべて並ぶ光景は圧巻。よく見ると手書きのしおりが置いてあったり、注意書きの看板があったりする。どうやら本堂の中にもまだうさぎがいるようだ。

「大吉」を引いたあとに今年の干支であるうさぎに会えて嬉しいやら驚くやらで、写真を撮りまくり、今年は「跳ねる年」にしようなどと調子よく決心する。そして一枚の張り紙を見つけた。

「うさぎ寺には駐車場がありません。お越しになる際は公共交通機関をご利用ください」

…駐車場がない‥。秋田にしては珍しいな…。こんなにいい場所なのに?

確かにお寺の前の道路は狭く、車ですれ違うのも気を遣いそうな、静かな住宅地だ。今日、歩いてみようという気まぐれを起こさなければ、この干支たちには会えなかったのだ。もしかしたらこれからも知らずに過ごしたかも知れない。この散歩のあと、うさぎ寺の写真をSNSにもアップしたのだが、これまでにないくらいたくさんの「いいね!」をもらった。

噂には聞いていても実際に見たことはないという人も、案外多いのかもしれなかった。車社会、運転に慣れていると、バスや電車を乗り継いで何かを見に行くという発想自体、あまりないかもしれない。

車を降りれば、別の景色が見えてくる

秋田市に住む筆者にとって、自家用車は必需品だ。バスや電車も走ってはいるが、常にあるわけではないし、もちろん交通の不便な奥地もある。通勤もレジャーもいつも車。そして、秋田県は特に女性の軽自動車の所有率も高いと聞く。

車は便利だ。好きな時間に、好きな音楽を聴きながら、どんな天気だろうが、誰にも気を遣わず好きな場所に行ける。

でも、ガイドブックに載っていなくても、歩くからこそ見つけられる、魅力的な場所がごく近くにある。それを知らずに過ごすとは、なんてもったいないことだろう。

「地元」を意識したことなどなかったが、実は湧水がそこら中から出ていたり、なんと秋田県を代表する調味料、「しょっつる」の誕生地だったりすることが、あとになって分かった。「大吉」と「うさぎ寺」が、地元の風景や歴史にまで興味を持たせてくれるとは思いもしなかった。

これを書いている4月初旬、うさぎたちもマフラーを取り、満開のソメイヨシノを見上げているだろう。そういえば私が通った中学校の周りも桜の名所だった。よし、明日は新しいスニーカーを履いて歩いていこう。桜までの道のりに、まだ面白いものがたたずんでいるかもしれない。

「足元、見てね」と言われているような2023年の始まり

タグ:
田川珠美

田川珠美

秋田県秋田市

編集部校閲記者

第1期ハツレポーター/移住と就業促進の仕事に関わってから、知らなかった魅力や課題のあることに気づきました。雪国のあたたかく柔らかい秋田を届けたいと思っています。ライフワークはピアノを弾くこと、ワクワクするのは農道探索、そして幸せは、心のふるさと北秋田市の緑の中をドライブすることです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です