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〈小さな村から大海を渡り異国で成功した冒険家たち〉
紀伊半島の西端にある和歌山市と白浜の中間地点に日高郡美浜町はあります。面積は県内で2番目に小さく、人口は約7,000人です。
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海に近い三尾地区は通称「アメリカ村」と呼ばれています。明治時代にこの地の大工・野儀兵衛さんが新しい人生を求めてカナダの漁村・スティーブストンに鮭漁業の出稼ぎに行き、成功を収めました。異国での成功を故郷の美浜町に伝えとことがきっかけで、カナダへの出稼ぎ移民を多数輩出することになります。この頃に北米から帰った村の人々がこの地に洋風文化を持ち込み「アメリカ村」が誕生しました。
苦しかった美浜町での生活を異国の地で一変させた“人生の軌道修正”の名残りが今も三尾地区に残っています。
〈終わらない夏休みの地で人生の軌道修正〉
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そんな歴史を継承するかのようにこの地に現れた青年、和歌山市出身の大江亮輔さんは「人生の目標や、夢がその時々で変わったり世の中の流れで変えざるを得なくなった時は、誰のためでもなく自分の人生のために目標設定が変わっていっても別にいい、いつでも人生の軌道修正出来るんです」と語ります。大江さんはこのアメリカ村に移住し「ダイヤモンドヘッド」という民宿を営んでいます。
そして、大人の中に少年さが残る笑顔を見せ話を続けます。
大江さんの母は看護師をしており、祖父母は忙しい娘を助けるため夏休みには子ども達を預かっていました。大江さんは夏休みの度に美浜町を訪れ、自然の恵がいっぱいの海を兄弟で駆け巡り遊んでいました。
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大江さんにとってあの楽しい夏休みは終わっていなかったのです。大江さんは夏の海での青春を描いた大ヒットドラマ『ビーチボーイズ』の世界観に憧れを抱き、主人公たちが働く場所と同名の『ダイヤモンドヘッド』と名付けた民宿を開業することで“人生の軌道修正”を実現しました。
〈移住して学んだ事〉
大きな街でチャレンジしても沢山の人の中に埋もれてしまう。大江さんは小さな美浜町で海も空も一人占めしたような気分でチャレンジし、冒険を続けてきました。
大江さんは「何度でも人生はやり直しが出来る。チャレンジはこれかも続けていきます」といいます。
美浜町に取材に行き、古民家が並ぶ街なみと真っ青な海、空 そして新しい事にチャレンジ出来る自由な風を感じました。もしも“人生の軌道修正”をしたい人に出会ったら美浜町アメリカ村での“大人のジュブナイル”をおすすめしたいと思います。
〈フォトギャラリー〉
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(野口千惠さんの投稿)