聞いて驚く!食べてもっと驚く!! さぬきのお正月「あん餅雑煮」【香川県坂出市】

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お正月といえば、お雑煮(異論は認めます)。お雑煮といえば、全国津々浦々、ご当地の食材を使ったさまざまなバリエーションが面白いですよね。

今回ご紹介するのは、わたしのふるさと・香川県の「あん餅雑煮」。その名の通り、なんと小豆あんの入ったお餅を使うのです! 全国的に見ても、あんこのお餅を使うのは香川県の一部の地域だけといいます。

どうした香川県民? なぜしょっぱい雑煮に甘いあんこを使う……?

ヨコイの祖母(85)は「さぁ……。わたしがちっちゃい頃からずーっとこれやけんな。なんでか知らん」と、知らない様子。

さて、詳しくご説明しましょう。まず材料はこちら。


・金時人参
 香川県坂出市の特産品。鮮やかな赤色と細長さ、臭みがなく甘い味が特徴的。日の丸をイメージして、薄く丸く切ります。

・祝大根
 細長い形の大和大根。金時人参同様、新しい1年が円満でありますようにと願いを込めて、薄く丸く切ります。


・いりこ出汁
 さぬきの味には欠かせない。磯の香りとうまみがぎゅっと閉じ込められたお出汁。うどんにも使います。今回手に入れたのは「讃岐野堺屋」の希釈用つゆ。

・白味噌
 甘くてまろやかな、「イヅツみそ」の「白豊(しろゆたか)」。香川県民、普段はこんなお上品な白味噌を使わない。年に1度のぜいたくの証に、ほら、ラベルのおすすめ料理は「あん餅雑煮」です。

・里芋、青のり、みつば
 このへんはお好みで。

・あん餅
 本日の主役! 最近は売り物も多く、香川県のスーパーには年末年始にあん餅が並びますが、基本的には自家製。家族で粒あんを炊き、餅をつき、くるんと丸めて雑煮にポンッ。つきたてのお餅ならやわらかいのでそのままでもOKですが、時間が経って固くなっているものは、七輪で焼いたり雑煮出汁で煮たりします。

コロナやなんやで地元には帰れないけど、やっぱりお正月はふるさとの味が恋しい!

というわけで昨年末、東京・銀座の百貨店の食品売り場で材料探しを始めたヨコイ。感動したのは、売り場担当者さんいわく、やはりこのシーズンに需要があるとのことで、いりこ出汁と白味噌を揃えていたところ。これぞ百貨店、客の求める百貨をそろえるその心意気、おみそれしました。まぁしかし、さすがにあん餅は売ってなかったんですけどね(笑)。

母に頼んで、あん餅と、ついでに金時人参と祝大根も送ってもらい、準備完了! 調理も簡単、切って煮るだけ! そうして出来上がった「あん餅雑煮」。

果たして気になるお味は……?!

うーーーーーーーーん、うまい!!!
(香川県民だからそう感じる説は認めます)

祝大根のピリッとした辛みと、金時人参のコクのある甘みが、良いバランス。いりこ出汁の凝縮された海の香りを、白味噌がうまく和らげています。

そして何と言っても、あん餅の存在感。出汁の染みたやわらかい餅にかじりつけば、中からとろーり飛び出す甘いあんこ。出汁と混ざって、甘じょっぱい風味が口の中に広がります。食べ進めていくと、出汁にあんこが溶け出してくるので、最後はおしるこ感覚でぐいっと飲み干します。

あ〜〜〜。そうそう、これこれ。これやけんやめれんのよな、あん餅雑煮は……。と、心の声も漏れ出す始末。失礼失礼。

珍しいけれど、独特のおいしさをもつ「あん餅雑煮」。他県の方々に話すと、大体は「えっ……それ本当においしいんですか……?」と身構えられます。

このおいしさ、どんなに説明しても伝わりづらいので、やっぱり食べていただかないとね。機会があればお振る舞いしますよ。

めっちゃおいしいけん、いっぺん食べてみーまい❤️

ヨコイリカ

ヨコイリカ

東京都文京区

事業部長

ハツレポーター

ふるさと:
香川(出身地)、京都(大学時代から12年間居住)、名古屋・銀座・文京区(仕事場)

全国全世界の「地元の魅力」と「歴史ロマン」と「美味しいもの」にまみれて生きたい。田舎っぺの底力を見せつけてやるー!