沖縄県は2023年度、たくさんの「お宝=魅力」をもつ離島各所の事業者さんたちが、SNSなどの『デジタルツール』を利用してさらに魅力的な発信をしていけるように「沖縄県主催🌺価値を伝えて売りまくるためのデジバズ講座」という取り組みを行っています。この記事は、参加された事業者さんを対象に、「ローカリティ!」のレポーターがその輝く魅力を取材し執筆したものです。沖縄離島の魅力をご堪能ください。
沖縄の有人島の中で最北端に位置する伊平屋(いへや)島。 その小さな島に1948年(昭和23年)、島民によって組合として設立されたのが伊平屋酒造所。
伊平屋島は沖縄の大陸棚の端にあり約3億年前に地層が隆起して形成されたといわれ、その独特な地形から水が豊かでおいしく、稲作も盛んな島なのです。
このように恵まれた環境で、伊平屋酒造の創業の中心となった保久村(ほくむら)家によって、島の水と米を使い、昔ながらの製法を守り、丁寧な手作業で泡盛が作られています。創業当初から変わらず島民に愛されている泡盛です。
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目次
存続の危機に、ないちゃー(=内地の人)の自分を信頼し経営を任せてくれた
現在、伊平屋酒造の代表を務める竹本進之介(たけもと・しんのすけ)さん。
竹本さんは東京都の出身ですが、琉球大学への進学がきっかけで沖縄に来ました。農学部で微生物の研究や農業経済学を学び、その後仕事として関わったプロジェクトなどで「泡盛を通じて地域を活性化したい」との思いを抱いていました。
現在、外国産米でほとんどの泡盛が作られている現状、新たに沖縄米だけを使って泡盛を作ろうという事業を受託した竹本さんは伊平屋島を訪れ、米の栽培から酒造りまでを行うために継続して何度も島を訪れます。その間に伊平屋酒造2代目の保久村昌章(ほくむら・まさあき)さんと出会います。
伊平屋酒造の酒造りの現場に携わるうちに、保久村さんから商品の販売方法や経営などについて個人的に相談を受け、外部支援という形で県内外に商品をPRするなどの活動を手伝うようになります。
そんななか、保久村さんに病気が発覚します。泡盛の製造を担う昌章さんの長男の将貴(まさたか)さんや次男の貴洋(たかひろ)さん、そして妻の政代(まさよ)さんらを支えながら、経営を引き受けてくれないだろうかと保久村さんは竹本さんに託し2022年10月に他界します。
「ないちゃー(=内地の人)である自分が、島の人と保久村家が守ってきた酒蔵の代表になるなんてありえないこと。でも保久村さんにここまで信頼してもらって、悩んだけれど、これまでの経験や知識を役立てられるなら」と伊平屋酒造所の存続を決断し同年12月に政代さんと共に共同代表に就任します。
伊平屋のおもてなしの心「いへやじゅうてー」が込められた泡盛
伊平屋島では昔から、朝起きると家の縁側にお茶とお菓子などを誰のためでもなく用意しておく習慣があるそうです。小さな島だからこそ限りある資源を分かち合い、誰に対してもおもてなしをするという「いへやじゅうてー」という伊平屋島ならではの習慣です。
島の人だけでなく、外から来た人に対しての寛容さも島の魅力なのです。
竹本さんは、そんな「人」の魅力も泡盛のおいしさに込められていると話します。
一般的な泡盛は外国産のタイ米を使用していますが、全て沖縄県産の原料で作った泡盛は全体の全体のわずか0.6%しかありません。伊平屋酒造の泡盛は全て島のお米と伊平屋島独特の恵みの水と人の魅力で醸されているのです。
伊平屋酒造では「いへやじゅうてー」という思いのもと、島の限りある資源を存分に使い尽くし、おもてなしをするという思いを込めて泡盛をつくっています。
島の魅力が全てつまった泡盛を絶対なくすわけにはいかない
竹本さんは、今新たな挑戦をしています。
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この挑戦によって、たくさんの人に伊平屋島の泡盛の魅力について知ってもらいたいと思っています。
こだわって作り上げられた泡盛を誰よりも早く味わい、そして来シーズンに向けて米の収穫も体験し、酒蔵も見学することができ、島の人々と触れ合うことも魅力のひとつ。
「こんな貴重な泡盛を絶対になくすわけにはいかない」
竹本さんが保久村さんに信頼され、残された家族とタッグを組み作り上げたプロジェクトです。
泡盛を味わい、次の季節に向けて米を収穫する体験、「いへやじゅうてー」の心をぜひ味わってみませんか。
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