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奈良県吉野町にある桜木神社です。
いかにもこの季節にぴったりの名前の神社ですけど、桜の木は申し訳程度に1本あるだけです。でも、屋形橋や立派な御神木があって、いい雰囲気の神社です。
参道の一部になっている屋形橋は、万葉集にも詠まれている象の小川にかかっています。「象」は「きさ」と読み、象の古語らしいです。当時の人たちにとって象は、仏教の経典にしか出てこないような架空の動物だったんでしょうね。
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神社の名前の由来は、壬申の乱のときに、大海人皇子(のちの天武天皇)が桜の木に身を隠したことからつけられたんだそうです。吉野川を挟んで向かい側には吉野宮があったそうですから、このあたりは飛鳥時代からずっと歴史的に重要なところなんですね。
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神社の前の道は吉野山へと抜けるセラピーロードとして整備されています。ハイキングがてら、万葉の頃に想いをはせながら、日本一の桜の名所を訪れてみるのもいいんじゃないでしょうか。
紀伊半島魅力発掘隊Facebookより 投稿日:2019年4月12日